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恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年―
 
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恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年― [単行本]

松浦 晋也
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

宇宙へと産み落とされた嬰児「のぞみ」は、いってみればよちよち歩きを始めたばかりだ。それを、子供の目の前で手をたたくようにして火星まで導かなければならない。あんよはじょうず、あんよはじょうず。それは苦難に満ちた旅の始まりだった。あいつぐトラブル。それでも「のぞみ」は二十七万人の祈りと希望をのせて火星へと飛び続けた。火星探査機「のぞみ」の苦闘のすべてを描く、迫真の科学ドキュメンタリー。

内容(「MARC」データベースより)

度重なるトラブルを克服して火星を目指しながら、ついに周回軌道突入を断念した火星探査機「のぞみ」。27万人の祈りと希望をのせて飛び続けた「のぞみ」の苦闘のすべてを描く科学ドキュメンタリー。

登録情報

  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 朝日ソノラマ (2005/5/21)
  • ISBN-10: 4257037008
  • ISBN-13: 978-4257037002
  • 発売日: 2005/5/21
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 382,747位 (本のベストセラーを見る)
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65 人中、64人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 これは断じて「失敗」ではない, 2005/8/20
レビュー対象商品: 恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年― (単行本)
副題には「のぞみのたどった12年」とあるが、その胎動は1970年から始まっており、前半部は打ち上げまでの紆余曲折が書かれている。のぞみ失敗の萌芽はすべてここに凝縮されており、要約すると「みんなビンボが悪いんや」ということになる。しかしながら、貧乏を知恵で克服する過程は実にスリリングで、読んでいると技術者魂に火がついてしまう。

あと、前半の山場である「あなたの名前を火星へキャンペーン」で、最初は不満タラタラだった関係者が、ハガキに書かれたメッセージを読んで次第にモチベーションを高められていくシーンもいい。日本の宇宙開発における的川氏の存在が、いかに重要かがわかるエピソード。

しかし、その盛り上がりも、打ち上げ後に次々と襲いかかるトラブルへの対処に比べたらものの比ではない。まったく、地味~な軌道計算が、こんなにカッコよく描かれていいのか。地味が得意(?)な谷甲州でも、こんな描写は書けまい、というくらいカッコいい。これを学生に読ませたら、軌道計算屋志望者が街にあふれるよ!

もちろんその後の、かの有名な1bit通信から、スイッチON/OFFによるリミッター焼き切りまで、ギリギリまで粘って先へ進もうとする技術者たちの奮闘は、本当に涙なしには読めない。最終的に火星周回軌道への投入は失敗したわけだが、ここまでやったんなら、これだけの経験が積めたのなら、いいじゃんと思う。この経験はきっと「次」に活かされるわけだし。一国民としては「次」の実現を世論で後押しする、それだけだ。

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59 人中、58人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 泣きました!, 2005/6/4
レビュー対象商品: 恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年― (単行本)
2003年の秋。
中国が有人宇宙飛行に成功した後、
地球観測衛星「みどり2」が機能停止し、
H-IIAが打ち上げに失敗し、
火星探査衛星「のぞみ」がのぞみを経ち、
日本中に、「日本の宇宙開発はどうなってるんだ!?」「税金の無駄使いもいい加減にしてくれ!!」の嵐が吹き荒れたことは記憶に新しい。
私も、「のぞみ」が火星軌道に入れず、火星を通り過ぎていくと聞いたときには、「おいおいおい、お~い。アメリカはとっくに火星に着陸してるのにねぇ。」と、思ったクチである。

しかし、そのどれもこれもが、全く恥ずかしい発言だったと、この本を読むと思い知らされる。
「のぞみ」は、開発中も、宇宙に飛び立ってからも、あらゆる理不尽を飲み込んで、何度も何度も限界を超えて、火星まで行った、「十分、十分過ぎるほどよくやったすばらしい」衛星だった。

開発者達は、その理工学方向に優れ過ぎる頭ゆえか、はたまた、立派な人特有の謙虚さからか、単純に、忙しくて面倒臭いだけか、口ベタだ。
この本は、「のぞみ」に『人生をのみこまれた』尊敬すべき口ベタな関係者と、われわれ素人との、橋渡しをしてくれる本である。
また、それのみならず、衛星の入門書であり、宇宙開発の経緯をおさらいできる歴史書であり、現在の日本の宇宙開発環境の厳しさを伝え、今後どうあるべきかを問う白書であり、とどめに、なぜ宇宙開発が必要なのかを考えさせられる哲学書(?)でもある。

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彼は、「それは・・・事情を知らない人にそういうことは言われたくないです」と答えた。それまで明晰かつ落ち着いた口調で「のぞみ」の運用を説明してきた早川だったが、この答えだけには一瞬強い怒りの感情がにじんだ。(P427)
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ここを読んだとき、それまで胸に充満し続けていたものが、ついに耐え切れず、一気に目頭にツーンと抜けた。
本を読んで泣いたのは、はじめてです。

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34 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 地味な科学者こそスポットライトを!, 2005/9/29
レビュー対象商品: 恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年― (単行本)
 科学者とはどうしてこうも地味で、そして粘り強いのか・・・!?
 本書は探査機「のぞみ」の航海を辿った科学ドキュメンタリーであると同時に、読者に「科学者とはどのような人間か」そして「科学における失敗とは何か」を考えさせる人間ドキュメンタリーとしても仕上げられている。
 われわれ国民の負託を受けたプロジェクトが、どのような経過で産声を上げ、紆余曲折を経て開発を完了し、長期運行の挙句、結果的に破棄せざるを得なかったのか。本書はまさに我々が最も知りたかったこの点に対し、概ね客観性をもって「説明責任」を果たしてくれる一書である。
 要求される条件や成果は常に世界(欧米)のトップレベル、しかしそれを欧米の数分の一の経費で実現せねばならない日本の科学者。「技術立国日本」を支える彼らのストイックなまでの奮闘振りは、読む側に「感動」と、そして同時に何かに対する「幻滅」と「怒り」を感じさせる。80年代世界を震撼させた、日本というかつての技術大国よ、どうか「子供を退屈させるな!」と言いたい。
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