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恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)
 
 

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫) [文庫]

コクトー , 中条 省平 , 中条 志穂
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

14歳のポールは、憧れの生徒ダルジュロスの投げた雪玉で負傷し、友人のジェラールに部屋まで送られる。そこはポールと姉エリザベートの「ふたりだけの部屋」だった。そしてダルジュロスにそっくりの少女、アガートの登場。愛するがゆえに傷つけ合う4人の交友が始まった。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

コクトー,ジャン
1889‐1963。フランスの詩人・小説家・劇作家・映画作家。パリ近郊の富裕な家に生まれ、早くから社交界に出入りし、多くの芸術家と親交を結ぶ。特にラディゲとの交友は芸術活動を刺激し、またその死は阿片中毒に陥るほどの重大な影響を与えた。生涯にわたってジャンルの枠を超えた活動を繰り広げながら、その根源は常に「詩」にあった

中条 省平
1954年生まれ。学習院大学教授。仏文学研究のほか、映画・文学・マンガ・ジャズ評論など、多方面で旺盛な活動を展開している

中条 志穂
1970年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 262ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/2/8)
  • ISBN-10: 4334751229
  • ISBN-13: 978-4334751227
  • 発売日: 2007/2/8
  • 商品の寸法: 10.6 x 3.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 東の風 トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 大詰めのカタストロフィーに向かって疾走する宿命の悲劇を、劇場に座って観客席から眺めている気にさせられた作品。作者が描いた60点ほどのイラストが作品の中にちりばめられていたのが、本書の魅力を間違いなく高めていました。さらさらっと描かれたコクトーのデッサン、よかったなあ。
 二歳年上の姉エリザベートと、弟のポールとの、近親相姦的な愛の悲劇が、この作品の主旋律を奏でています。このふたりに、ジェラール、ダルジュロス、アガートといった人物がからまり、姉弟の間に協和音と不協和音を生み出すという構図。登場人物のなかでは、運命の糸を紡いでゆくエリザベートの存在感が大きく、実に魅力的でした。本作品を映画化したジャン=ピエール・メルヴィル監督の作品(1950)では、ニコール・ステファーヌという女優がエリザベートを演じています。
 さらに、ポールを精神的に支配している同級生のダルジュロス。コクトーのイラスト「雪の球を丸めるダルジュロス」で、きりりとしたハンサムな美少年として描かれていた人物。巻末の中条省平さんの解説の中に、≪三島由紀夫もこの人物を偏愛していた≫と記されていましたが、このキャラクターにも大きな魅力を感じました。
 ところで、訳者の中条省平さんの解説文。実に的確にこの作品の魅力の骨子を明らかにしていて、素晴らしかった。あまりに明晰な分析がされているので、コクトーの小説読了後にお読みになることをおすすめします。
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19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この光文社古典新訳文庫シリーズは素晴らしいですね。

古典翻訳モノは往々にして読みにくい印象がありますが、そんな思いを払拭してくれます。

ただしそれ以前に、

「コクトーの原文は分かりやすいのか、といえば、分かりやすいとはいえないところもある」

と中条省平さんは、訳者あとがきで述べています。

たしかに。圧倒的なイメージで紡ぎ出される物語に、置いてけぼりを食らう読者がいることも理解できます。

しかし一旦波に乗ってしまえば、あとはもうコクトーのめくるめく世界観に身をあずけるのみ。

何がすごいって、登場人物が喜び、怒り、悲しみ、笑う様の生々しさ。

ラストへ向かうエリザベートの一大芝居あたりからは、息をのむ展開です。

登場人物に命を吹き込んだかのような、コクトーのイラストもお見事。

永遠の子供たち。鋭い刃物のような、過激で繊細な物語です。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
コクトーなんて若い人は全く知らないかもしれないが、ある程度の年齢のいった人であれば誰もが知るネーム・ヴァリューのある人物。作家というよりは、詩人であり、演劇化であり、芸術家。本作品は、文学作品というよりも芸術作品なのかもしれない。

筋立ては、古典的なギリシャ悲劇のスタイルが踏襲。弟を愛するがあまり、弟の恋路を邪魔し、弟を独占しようとするが、その姉の策略は最後には崩壊し悲劇となる。旧訳がわかりにくいから新訳で再出版ということなのだが新訳でもなじめなかった。もともとの原文がポエムのように書かれているからショウガナイ。

『広間は子供たちに呪いの言葉を投げてきた。その声が彼らを怯えさせ、敷居をまたぐことをためらわせた。彼らは、この場所に魔力があることを・・・』といった文章が最後まで続く。コクトー・ファンでないと少しきついかもしれない。

但し、コクトーのストーリーをイメージした美しい線描画が豊富に挿絵として描かれているのは、大変に魅力でした。
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