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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
作品の影響力,
By
レビュー対象商品: 恍惚の人 (新潮文庫) (文庫)
以前「非色」を読んだときもそうだったが、この人の作品は自分の価値観や、ものの考え方に大きな影響を与える。 自分に降りかかる「介護」と、自分に訪れる「老い」の双方について 大きな不安を与える内容がシビアに描かれてはいるが、 「愛」というほどではない「救い」が作品の骨格を支えているので 絶望に陥るほどのことはなく、ただ、テーマに対する思索を深めてくれる。 娯楽として気軽に読める本ではないけれど、「高齢化社会」を語るニュースを見るより この本を読んだ方がはるかに心に染みるので、特に若い人に読んで欲しい。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
老いていくさま,
By 布巾 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 恍惚の人 (新潮文庫) (文庫)
週末、買い物帰りに昭子は雪の中を外套も着ず足早に歩いて行く舅と出会う。声をかけると、昭子と一緒にもと来た道を戻り始めた。 舅はどこへ行こうとしていたのか。 この日、庭続きの別棟に住む姑が亡くなり、舅が「呆け」始めている事に気づく。 昭和47年に本書が発表されてから老人問題は何も進展してはいないんじゃないか と思うくらい、作中と今との社会に対する嘆きは一緒である。 義理の父にいびられ続けてきた昭子が「女」である為に 結局は茂造の面倒をみなければならない。 実の息子である夫、信利の態度に 「家出して全部信利に押し付けてやればいいのに」と何度思った事か。 頑丈で偏屈な茂造が全てを忘れて、 今まで見せる事のなかった笑顔を時折みせるようになったと思ったのもつかの間 体が弱ってきて、周囲に対する関心も失われ、再び笑う事もなくなっていく。 時間の経過がせつない。 「人は何の為に生まれてきたのだろう」と思わされる作品。
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
なぜ痴呆が増えているのか、不明です。,
By なをねこ "みみ" (東京都板橋区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 恍惚の人 (単行本)
昨年以降、義父の痴呆が進行し、徘徊老人に。困り果てた母は、やっとのことで施設を見つけて入院させた。 一時金が1200万円と高額で、しかも5年償却ではあるが、 清涼な環境と同居者たちから歓迎されていることもあり、 以来今のところ症状は進行していない。 老人性痴呆は原因も治療法もわからないまま、増加の一途である。 アルミ鍋の多用による脳への沈着?ストレス?他の何らかの 化合物の影響? いずれにせよ、原因がわかるまでには我々の世代はいないだろうし、 田舎にこもって自給自足の生活をするより他、予防する手段は無いのではなかろうか? 本書で描かれた実態は現在の状況とさほど変わりなく、介護に疲れた母に贈ったところ、読み終えて笑い転げておりました。
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