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恋 [VHS]
 
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恋 [VHS]

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登録情報

  • 出演: ジュリー・クリスティ, アラン・ベイツ, マイケル・レッドグレーブ, マーガレット・レイトン
  • 監督: ジョゼフ・ロージー
  • 製作者: ジョン・ハイマン, ノーマン・プリゲン
  • 形式: Color, Subtitled
  • テープ数:: 1
  • 販売元: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • VHS発売日: 1987/06/21
  • 時間: 111 分
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • ASIN: B00005GC0D
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: ビデオ - 10,481位 (ビデオのベストセラーを見る)
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By Bo-he-mian トップ500レビュアー
以前から、ジョセフ・ロージーについて感じていた事がある。実は様式美の世界を描かせたら、とてつもなく巧いのではないか、と。
まさにその答えが本作『恋』。'71年カンヌでグランプリを受賞した作品だ。

舞台は1900年。20世紀の入り口と言いつつも、ヴィクトリア朝の最末期。見紛う事なきヴィクトリアン・ロマンの世界を舞台に、少年期の恋と哀しい人間ドラマが描かれる。
原作は「無名の文豪」と呼ばれる、L.P.ハートレー。「神経症的」な人物描写を特色とする作家と言われ、原題は「The Go-Between」。これは「仲介者」と同時に「代弁者」いう意味で、邦題の『恋』よりも複雑な意味が込められている。

12歳の主人公、レオ(ドミニク・ガード)は、夏休みを学友のマーカスの豪邸で過ごしていた。イングランド東部・ノーフォーク州の広大な田園地帯に建つ豪壮な館。レオはそこで、マーカスの美しい姉・マリアン(ジュリー・クリスティー)と出会う。彼女に淡い恋心を抱くレオ。しかし、マリアンには身分を超えた禁断の恋の相手がいた。小作人のテッド(アラン・ベイツ)である。マリアンは、レオの自分への想いに気づきつつも、テッドと手紙のやりとりをする「仲介者」をレオに頼む。レオは、それが恋文だと気付きもせず、マリアンの役にたてると、喜んで引き受ける。
やがてレオは、館の新しい客・トリミンガム子爵(エドワード・フォックス)と知り合う。戦争で顔に傷を負い、ニヒリスティックに振舞いながらも、騎士道精神を尊ぶ子爵に、レオは好意を寄せる。そして、粗野で無教養ながらも、男らしく温かみのあるテッドにもまた、一種の憧れを抱くようになってゆくが・・・ある時、レオはマリアンに託された手紙をふと開いてしまい、その中身を知って衝撃を受ける。失恋、そして許されぬ恋の仲立ちを自分がしていた事へのショックに少年は困惑する。そんな中、トリミンガム子爵とマリアンの婚約が決まる。それでもマリアンは、レオに手紙の仲介役を頼もうとする・・・。
あれから50年以上の歳月が過ぎ、甘酸っぱく、ほろ苦い少年時代の想い出を胸に、レオは再びあの館に向かっていた。あの夏の日に、何があったのか・・・そして館で待つ、年老いたマリアンはなぜレオを呼んだのか?

まず言いたいのは、この映画はとにかく「美しい」。冒頭のタイトルバックの、水滴に光る窓ガラスの映像から、何か予感めいたものを感じる。そして、逆光の中で黄金色に輝く畑と、緑の木々の中をゆく一頭の馬車・・・。徹底してオール・ロケにこだわった建造物の存在感。館をとりまく自然の風景。そこに重なる、ミッシェル・ルグランの心かき乱すような美しい美しい旋律。
絶品というほかない。
『パリの灯は遠く』を観た時、ロージーの構図の巧さに感銘を受けたものだが、本作はジョセフ・ロージーという監督が持つ、スタイリッシュな才能を最大限まで引き出した作品、といえるのではないだろうか。ロージー映画の多くは、人間ドラマ ― 心の暗部を抉り出すような描写に、重点が置かれる。この映画でも、もちろん人間の複雑で混沌とした心が描かれる。ジュリー・クリスティー演じる、これまた美しいヒロイン・マリアンは、単なる「憧れのきれいなお姉さん」ではない。女性の残酷さを併せ持ったキャラクターである。手紙の仲介役をレオが断ろうとすると、百年の恋も冷めてしまうようなもの凄い罵声を少年に浴びせる。「お金が欲しいの?それなら、あげるわよ!」
こうした思春期ものには必ず「恋」と「友情」の狭間で苦悩する心が描かれるが、少年レオの心もまた、ひと夏の残酷な体験の中で、揺れる。トリミンガム子爵にレオは訴える ― 「妻が不貞を働いても、決闘するのは夫と愛人、いつも男だ。なぜ?不公平だよ」と。

ロージーは語る。「人間というものは、その奥底は純真なものであり、彼らはしばしば、彼らの生活状況によって腐敗するのだ」と。
そして「腐敗ということは、人々が自分のものでない思考で生きることに甘んじることから生じる。最悪の腐敗は、抗議することを止めてしまった人たち、あきらめなのだ」と。
このヴィクトリアン・ロマンに、ロージーが託したメッセージは。なぜ50年後(厳密には、ドラマの大部分が回想シーン、という設定なのだが)のレオが登場する事になるのか。この言葉が、映画のラストシーンを読み解くキーワードになるのかも知れない。

その美しさゆえに、哀しみと苦さが際立つこの映画、これこそDVDで観たいではないか!
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美しき日々 2005/7/11
 身分違いの恋。決して許されることの無かったこの時代に、貴族階級の娘が恋したのは小作人。少年の純粋な心を利用して、絶望的な結末を迎える恋は進展していく。
 ミシェル・ルグランの流麗で緊張感漂うなピアノの調べ。イギリスの風景も緑が美しく、まるで一時のふたりの美しき日々を祝うかのようだ。しかし、描かれる貴族階級の欺瞞は、やはりいつものロージーのもの。その目は鋭く、見る者の心に突き刺さる。
 どこまでも、執拗に娘の行動に目を光らせる母親の存在は恐ろしく、来たる結末を予感させる。
 若きジュリー・クリスティーの魅力と、野性的なアラン・ベイツの対照が印象的。カンヌ映画祭のグランプリ作品だ。
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L.P.ハートレーの原作を基にハロルド・ビンターが脚本を担当。ひと夏を裕福な友人宅で過ごした少年の甘酸っぱい記憶が、主人公レオの回想形式で語られる格調高い文芸作品だ。ビスコンティを思わせるジョセフ・ロージーの映像も、英国上流階級の人々のやんごとなき生活風景の中に隠されたデカダンスを描くにあたっては、とてもマッチしていた。

少女の妄想が招いた悲劇を同じ妄想によって償うという内容のイアン・マキューアン原作『つぐない』と、ある意味構成がとても良く似ている。本作品ににおいて、その<妄想>の代わりに重要な役割を果たすのが、愛のメッセンジャーボーイ=レオというわけだ。

マーカス一家の令嬢マリアン(ジュリー・クリスティ)は、ヒュー(エドワード・フォックス)という決まった相手がいながら、小作人テッド(アラン・ベイツ)と密会を続けていた。美しいマリアンに淡い恋心をいだいていたレオは、マリアンとテッドの橋渡しとなって手紙の配達人を買ってでるのだが・・・。

途中まで愛のキューピット役をやらされてることすら気づかなかったレオが、<愛する者が行ういい事>など知るよしもなく、テッドとヒューの二股をかけているマリアンの気持も全く理解できない。そんなレオがかけた無邪気な魔法が、思わぬ形でマーカス一家を呪うことになろうとは。今は年老いたマリアンから授かった最後のメッセンジャーとしての任務を全うした時、異邦であったレオの過去は現実とつながり、心を蝕んでいたトラウマからも解放される日がやってくるのだろうか。
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