シリーズの12冊目.『
囮物語』からの続きになり,あれから少し後の1ヶ月間が描かれます.
予想通りに予想外とでも言いますか,まさかの語り部役に始まり物語の中身までも予想外.
このある意味適任の配役やタイトルの『意味』には,やられたとしか言いようがありません.
また,その語り部が自らを問い詰めて決断をしていく場面にはなかなかゾクリとさせられ,
悪役であるはずの彼が,嘘か誠か損得勘定以外で動く様子はありがちながら印象に残ります.
序盤に多く見られる煙に巻く,あるいは予防線を張るみたいな言い回しはかなりくどいですが,
そこさえ過ぎればこれまた予想外に読みやすく,口車に乗せられたかのように惹かれていきます.
反面,このセカンドシーズンを引っかき回した人物らについては最後まで何もわからず,
あれだけラスボス感を演出した対決も,あの男らしいやり方とはいえあまりにもあっさり.
いくつかの疑問も残ったままで,挙げ句にファイナルと称されるシーズンへの持ち越しには,
まだ楽しめるという喜びや期待以上に,スッキリとなれない感情が湧くのが正直なところです.
他にも多くが期待したであろう物語と違ったことは,『
囮』からの決着は確かにされるものの,
タイトルはもちろん,シーズン完結作,キャッチコピーと儚げで美しいパッケージイラストなど,
あれだけ煽っておいて…と,読み手側の勝手とはいえ肩透かしの思いが残るのではないでしょうか.