本作は「うに煎餅」に続く戸田恵梨香の主演映画だ。戸田と北海道は相性が良く、TVドラマの傑作「牛に願いを」や「旭山動物園物語」での好演が印象深い。本作の主なロケ地(町は架空の星丘町)は小樽と札幌なのだが、特に小樽での撮影はマニアックな場所が多く(笑)、小樽FCの協力が大きかったのではないかと思う。ウィングベイ小樽の観覧車は「天国と地獄」で妻夫木も乗っていたが、潮見台浄水場(プラネタリウム外観)やオタモイ住宅などは、自分の知る限り映画初登場だと思う。札幌はすぐにどこか分かる場所で撮られていた(颯太が菜月と待ち合わせして、会えなかった場所はサッポロファクトリー。病院は北海道医大)ので、小樽の空気感があまり伝わらなかったのがちょっと残念。1か所くらいはモニュメントになるところを使えば良かったのに・・・。肝心の出来は「まずまず」かな、といった感じだ。戸田が困難や恋愛、生死と向き合い、大人になっていく過程はよく表現されていたけれど、颯太の行動描写が弱いために、緊迫感に欠けた嫌いがある。加藤和樹は「ホタルノヒカリ」に続く好演だったと思うけれど、ホンと演出が弱かった。写真家が映画監督というのは面白いが、やはり大作にはスタジオ育ちの監督を付けてほしい。不満なのは特典ディスクだ。ほんの少しのメイキングと舞台挨拶だけなら、1枚に収まったはずだ。