ゲームソフト『恋文ロマンチカ』を製作したチュアブルソフト、およびそこの原画家であるぎん太という人物は、作品を発表するごとにどんどん進化していっている。一つのところに留まらず、次へ次へと毎回進んできている。
現在、チュアブルソフトからは『Pure×Cure』、『あまなつ』、『Sugar+Spice!』(およびそのファンディスクの『Sugar+Spice!Party☆Party』)とこのVFBの元となる『恋文ロマンチカ』が発表されており、今夏には新作の『Sugar+Spice2』が発売予定である。また前身となった同人サークルTABLETのほうからは『茜の月に空をみる』と『きのこまち』が出ている。
この本は「ビジュアル」と名前がついており、確かにイラストの方に目が行きがちだ。(そしてそれは悪いことではない。絵を描いているぎん太女史は淡い色使いを基調とし、電撃文庫・電撃文庫MAGAZINEなどでも起用されるなど、非常に優れたイラストレーターなのだから)
しかしそこだけでなく、ぜひともスタッフらのインタビューや構成をじっくりと見てもらいたい。そこにはスタッフの想いなどがしっかりと刻まれている。これを熟読することで「チュアブルソフトとはどんなところなのか」が垣間見えてくる。だからそれを知りたい人間にとってはこれはとても貴重な資料となるのだ。
ただ、先に述べたように、「チュアブルソフトはどんどん進化してきた」のだ。そしてこの本ではそれを「垣間見る」ことができる。
つまりこれ一冊だけでは全てを知れないということでもある。
このことをもどかしく思う人もいるかもしれないが、むしろこう考えてもらいたい。
『チュアブルソフトというところはたかだかこの本一冊だけで語りつくせるようなところではない』
と。それだけのことを今までにすでにやってきたし、そしてこれからもやっていくことだろう。その“一端”を知ることができるのがこの本であり、そしてだからこそ良書なのである。
とはいうものの、今からチュアブルソフトのすべてを急いで知ることは難しいと思う。特にこれから改めて知ろうという人にとっては。
そうであれば「ビジュアル」というのは視覚に訴えてくるからすぐに受け取れる。ならば試しに公式HPを訪れて、これまでの作品のイラストやOP映像などを順に追ってみるといいと思う。イラストに多少なりとも興味のある人は、それをやるだけでどれだけ変わってきたかがわかることだろう。そして好きになったならこの本やゲームソフトを実際に手にとってみるというのがいいのではないだろうか?
最後にチュアブルソフトおよびその前身のTABLETが掲げている標語で締めたいと思う。
「A Medicine for your Mind.」
きっとこの本やソフトはあなたの心を癒し、生活を満たしてくれる事だろう。