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恋文の技術
 
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恋文の技術 [単行本]

森見 登美彦
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (54件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

一筆啓上。文通万歳!――人生の荒海に漕ぎ出す勇気をもてず、波打ち際で右往左往する大学院生・守田一郎。教授の差し金で、京都の大学から能登半島の海辺にある実験所に飛ばされた守田は、「文通武者修行」と称して、京都にいる仲間や先輩、妹たちに次から次へと手紙を書きまくる。手紙のなかで、恋の相談に乗り、喧嘩をし、説教を垂れる日々。しかし、いちばん手紙を書きたい相手にはなかなか書けずにいるのだった。
青春の可笑しくてほろ苦い屈託満載の、新・書簡体小説。

内容(「BOOK」データベースより)

京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。

登録情報

  • 単行本: 332ページ
  • 出版社: ポプラ社 (2009/3/5)
  • ISBN-10: 4591108759
  • ISBN-13: 978-4591108758
  • 発売日: 2009/3/5
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (54件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 情報伝達手段としての手紙, 2011/6/30
レビュー対象商品: 恋文の技術 (ポプラ文庫) (文庫)
主人公の守田一郎はうだつの上がらない大学院生。大学教授の命令により、京都の大学から能登の研究所に移ることになり、能登から京都の大事な(口には出さないが)友人達への文通がはじまる。書簡体形式を用いて、主人公守田一郎の視点で奇妙な友人達(友人の中には森見登美彦さんも登場する)の動向や、守田一郎のひねくれた想いが手紙に綴られる。
守田一郎は男そのものだと思う。それはもちろん一本気だとか、言葉に二言はない、とか逞しい容貌ということではない。シャイで手紙の中でしか強くない、小狡い、いやらしい、さびしがりや、意外と真面目、無駄にプライドが高い、とにかく不器用。こういうところが男だと思う。

恋文代筆のベンチャー企業を立ち上げるためだ

と煙をまかないと、文通すらできない。なんとも男らしい。
いざ文通しても、相手が男女問わず、結局言葉の悪ふざけに終始し本当の気持ちを伝えられない。この悪ふざけ・パロディが本書の魅力で一定以上の年齢の方は読んでいてクスクス笑いが止まらないだろう。いたるところに盛り込まれている悪ふざけ・パロディは森見登美彦さんが腕によりをかけて読者にサービスしてくれたものだ。阿呆の手紙なので、難しい顔をせずに阿呆になって楽しむべきだ。手紙毎に趣向を凝らした署名、宛て名も堪能すべき。

しかし、いざ本音を手紙で語る必要が出たとき男守田一郎は懊悩を深める

何遍も何遍も恋文を書いては破き、書いては破いているうちに、俺は文章というものが何なのか分からなくなってきました。「文章を書く」という行為には、たくさんの罠がひそんでいる。俺たちは自分の想いを伝えるために文章を書くというように言われます。だがしかし、そこに現れた文字の並びは、本当に俺の想いなのか?そんなことを、誰がどうやって保証するのか。書いた当人だって保証できるかどうか分からない。自分の書いた文章に騙されているだけかもしれない。じいっと考えては書き考えては書きしていると、不思議でならなくなってくるのです。自分の想いを文章に託しているのか、それとも書いた文章によって想いを捏造しているのか。

本音を伝えることの恥ずかしさや、気持ちを受け入れてもらえ無かったらどうしようという男の情けなさ。けれど、このあたりから手紙に透明感が増し読む私達はいじらしい気持ちになる。「いじらしい気持ち」、この複雑な感情を正しく表現することは携帯メールで可能だろうか。長文や、何通もの携帯メールを重ねれば可能かもしれないが、それは野暮だ。
紙と黒いインクしか用いることが出来ない、情報伝達の手段としては極めて貧弱な手紙こそがこそばゆいような、いじらしい気持ちを伝えるには最適なのだろう。何より、想像力を喚起する力に優れている。

すべての手紙を読み終えたとき、手紙に登場した人物達全員が愛おしく、自分の過去の分身達のように思えた。メール一本で事足りることを筆やペンを動かし、数十分と配達時間プラス送料を使って好きな人達に気持ち伝える。当たり前のことだけど、実はかけがえの無い大事な時間の使い方なのかもしれない。
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46 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 メランコリックな成長を, 2009/3/11
レビュー対象商品: 恋文の技術 (単行本)
書簡体形式と言うから夢野久作の影響があるのだろうか堅苦しさや古さはなく深く勘ぐる必要はない
序盤から森見氏の得意なウィットユーモア全開のセンテンス。軽快な韻を踏んだ文、あのフレーズをパロディしたりとページを繰る手が止まらない。
中盤中頃から少し様相が変わり学生時代末期特有の自己変革!?と恋の葛藤や先々への不安が入り混じった手紙(内容)に鮮やかにシフトしていく
ともすれば、なセンチメンタルを阿呆な描写で笑わせ心地よさ引き出すワザは見事!
いやはやあのような文体でありながら本質を外さず大事な所を散りばめていく所は真に稀有な作家です
兎に角呟きたい科白満載です
そして終盤の収束転結も嬉しくなる「手紙」。
果たして阿呆な手紙学生が編み出した恋文の技術とは如何に!?

また過去の作品を読んでる方にはニヤリとさせる遊び心もありでファンは絶対買いの一作
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 得るものはない。が、読んで損はない。, 2011/8/22
レビュー対象商品: 恋文の技術 (単行本)
個人的な森見作品の評価としては、
彼の作品を読んで何かを得るということはない(不思議と、何かを得たような気持にはなるが)。
しかし、面白いしあたたかい気持ちになる。
なので、1秒たりとも人生に無駄な時間のない人は読むべきではないが、
何となく時間を持て余しているという人は是非読んでみるとよいかと思います。

この本では、(自分が読んだ中では)今までになく、手紙で話が進んでいくという不思議な設定ですが、
読み進めるのに苦労を強いられることはなく、ひたすらに守田一郎の破天荒さに乗っかって読んでいけます。

読み終わった後は、何となくすっきりした気持ちになり、これから自分も頑張るか!と、何となくそんな気にさせてくれるものでした。
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