人生の楽しみ方の幅広さをユーモアに包んで描いた傑作恋愛コメディ。原題の「Something's Gotta Give」は、「人生は何でもあり」くらいに取った方が良いのではないか。J.ニコルソン、D.キートン、K.リーブスと豪華俳優陣を揃えながら、重厚な恋愛模様ではなく、洒脱な作品に仕上げている点が本作の持ち味だろう。特に、中高年の男女に対してはホロ苦いが勇気を与える笑い。
ハリー(J.ニコルソン)は60歳過ぎの富豪だが、「30歳以上の女は相手にしない」との"ルール"を持っている。そこに現われた愛人の母親の脚本家エリカ(D.キートン)。娘の"ボーイフレンド"を見たエリカは激怒するが...。そして、ハリーが心臓発作で倒れた事によって担当医ジュリアン(K.リーブス)が登場する。ジュリアンは何と20歳近く年上のエリカに一目惚れしてしまう...。
ここからは三人の恋愛模様だが、期待にたがわぬ出来。特に、当初犬猿の仲だったハリーとエリカが次第に接近して行く様子が巧みに描かれている。J.ニコルソンの怪演、D.キートンの魅力と演技力が本作に求心力を与えていると思う。特にD.キートンの体当たりの演技は女の強さから切なさまでを見事なまでに表現して凄い。また、浜辺での美しいシーン、病院にハリーが何度も搬送される繰り返しギャグ、雨の日のハプニング的ベッド・イン、母娘の恋愛観の相違の描写、エリカの脚本の舞台パリを反映してポイントで流れるシャンソンと起伏に富んだ台本も良く出来ている。エンディングには、ポール・サイモンの「Learn How to Fall」とJ.ニコルソン自身が歌うシャンソンが流れるというサービス振り。観ていて自然に笑えるし、人生幾つになっても、どのような形であっても楽しみを味わえる事を教えてくれる快作。