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橋本治を変人だしホモセクシャルだろうから自分とは関係ない、と思う人はこの本を読んでもしょうがないです。著者自身がこの本の中で言っているように、セックスの全く出てこない恋愛論です。セックスと切り離して恋愛の本質を考えた時に初めて見えてくるものがある。そしてその時の恋愛の対象は異性とは限らないことも著者が自分自身の経験、考えをつぶさに語るのに耳を傾けるうちに自然と納得されてしまう。変人だと言われるような時期を過ごし、徹底的に自分と向き合い、特定の主義・思想に頼らずに自分の頭と身体で考え抜いてきた著者だからこそ見えたものを凡人たる僕らに教えてくれる。
「自分をとりまく闇に気づいた時、恋愛が生まれる」「自分と似ている部分、違う部分の両方がないと恋愛は成立しない」「恋愛のなかで男は天使になる」等々重みのある言葉もちりばめられています。そして、こうしたカッコはいいがすぐには魂に響かない言葉を読者(講演録なので元は聴衆)に納得させるための方法論として、個人的である他ない自身の初恋をつぶさに語ることにしたのでしょう。その方法論の正しさも含めて私はやはりこの著者の考え抜き、それを語る力に大いなる敬意を抱きます。
とりあえず橋本治という人に偏見を持たずに素直に読み進められる人には恋愛をめぐり考えるよすがを得られますのでお勧めします。
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