万人受けはしないかもしれませんが、ものすごく面白かったです。
宇宙人が地球に攻撃をしかけるかもしれないという夜に、たいした目的も持たずにそこかしこと街をぶらついているダメ男のお話。北区が滅亡するかもという事態に大した危機感も感じず、コンビニ、本屋、風俗といったありきたりな日常を消費する主人公。その希薄なリアリティーや起伏のない生活感が何とも現代的でおもしろいです。
ただ、だらだらと続いてきた物語が、ラストにほんの少しだけ体温を上げます。SM嬢と交わりながら眺める宇宙人の攻撃。性交も地球の一大事も、彼らにとってはフラットな関係なのでしょう。
同時収録されている「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」もなかなかの傑作でした。身だしなみを整えることに、想像を絶するほど神経を使う完璧主義者の男を彼氏に持った女性の話。ドライブ中、その彼が苦痛の表情を微塵も見せず、極限までウンコを我慢する姿に、彼女は神々しさを感じ、惜しみない愛情を覚える。
何とも人を食ったような話ですが、そのシュールさが絶妙。場面の描写や語り口も、人を小馬鹿にしていて小気味がいいです。「なんか定食食べたい」なんてくだりも、そうそうって感じ(笑)
低俗な話が嫌いでなければ結構オススメです。