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恋愛の昭和史 (文春文庫)
 
 

恋愛の昭和史 (文春文庫) [文庫]

小谷野 敦
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

恋愛を語らせて肩を並べる者なき評論家が検証する、昭和という時代の恋愛の形。NHKのテレビドラマにおけるヒロインの婚前交渉の問題、恋愛と結婚の啓蒙家としての菊池寛、瀬戸内晴美・渡辺淳一の性愛小説の展開、男の貞操観念、姦通のモラル、学歴と恋愛の相関の崩壊など、恋愛観、結婚観の変化をあらゆる角度から読解。

内容(「MARC」データベースより)

「恋愛」に王道なし。不公平で、不平等なもの、それが「恋」なのである。ヒロインの婚前交渉は是か非か、男・女の貞操とは。男と女の機微に真正面から切り込んだ、本格恋愛研究書。『文学界』連載などをまとめ単行本化。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 350ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/3/7)
  • ISBN-10: 4167717697
  • ISBN-13: 978-4167717698
  • 発売日: 2008/3/7
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 尾崎紅葉「金色夜叉」あたりから村上春樹「ノルウェイの森」あたりまでの小説を読みながら、明治から昭和にかけて、恋愛観、結婚観がどう変わってきたのか論考している。もちろんそこには小谷野氏の“私”が色濃く出てきて、「失恋」という主題を追究したり、東大生はモテるか、ということを検証したり。

 それにしても凄いのは、膨大な量の小説が参照されていることで、この点では小谷野氏の右に並ぶ者はいないかも。いわゆる名著だけでなく、今では誰も読まないような作品も丹念に拾っており、そういう作品を論じた時の方がおもしろい。と言うかおもしろすぎ。古くさいとは言え、確かに「真珠夫人」も「僕たちの失敗」も昼ドラになっているしね。「東京ラブストーリー」や「ふぞろいの林檎たち」など、マンガやドラマも同等に真剣に考察するあたりがまたいい。昭和の歌謡曲を扱った章も秀逸だ。

 ヒロインたちを追って見て行くと、見合結婚が当たり前で、恋愛結婚が許されなかった時代から、恋愛結婚が当たり前になり、婚前交渉が是か否かを問う時代になり、ついには恋愛しないなら結婚しなくてもいい“負け犬”世代へ。案外短い間に常識が変わることに驚く。

 昭和三十四年に一夫一婦制を疑問視する本が出ていた、という話もおもしろい。この「姦通のモラル」という本では、互いの婚外恋愛を認めあうことこそ夫婦の愛、ということが書いてあるのに、著者自身がそれを実践しきれなかった様子。このテーマは小谷野氏の「帰ってきたもてない男」に引き継がれている。縦軸に昭和という時間の流れ、横軸に小谷野氏の独自のテーマ性が並んだ魅力的な一冊と言えるだろう。

 
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
小谷野さんのブログのファンで、実は毎日チェックしている。ブログはねちねちとした毒舌で満ちており、爽快感はないが、興味深く読めるテーマが多い。特に禁煙ファシズム反対運動についての議論は文章にも力が入っているし(「ねちねち感」も含む)、説得力がある。

本書は、昭和の文芸分野での恋愛描写の変遷を追い、日本人の恋愛感について扱った一冊。売春、婚前交渉、自由恋愛、精神的/肉体的恋愛、避妊の是非、などが主要テーマである。

おもしろかったのは、福永武彦らのキリスト教文化を持ち込んだ作家ら、さらには影響元であるジッドを鋭く批判した箇所。曰く、彼らキリスト教かぶれ作家が、むやみと「精神的恋愛」の価値を強調したために当時の日本の青少年・少女が無駄に苦しむ結果になったという。「武士は食わねど高楊枝」的態度が称揚される国では、日本人たるものはセックスしなくても精神的に満ち足りていればそれでよしとせよ、という態度が支持されやすかったのだろう。実際には男子の楊枝は、常に高くなったまま解決の捌け口をいつも探していたのではないかと想像する。不健全である。

雑誌に載せられる小谷野さんの写真や氏の陰湿で攻撃的な文章からは、失礼ながら健全で健康的なイメージは受けない。また、意図的にそのようなイメージを与えるように振舞っているようにも感じられる。しかし、実のところ氏は健全な社会の在り方(禁煙ファシズム反対論)や健全な男女のあり方について非常に意識的な、「健全論者」であるように思われるし、その内容には、建前ばかりの皮相的な議論に比べると示唆的な部分が多く含まれるように思う。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
2005年3月発行のものが文庫化されました。
その当時のもののレビューに概ね納得します。
例えば、膨大な資料に目を通した筆者の力量、そして巻末の年表といった付録。

個人的に楽しめたのは、私と同時代性が強い、昭和後期からのものでありました。「学歴と恋愛」、「歌謡曲の時代」、「自由恋愛の中の不自由」といった章が該当すると思われます。

「歌謡曲の時代」では、歌詞というテクスト?を使用しつつ、例えば、「男の片思い」を歌ったものは、この「歌謡曲の時代」まではほとんど見当たらないなどというあたりなどは、最近のJ-POPなどと照らし合わせれば異論もあるでしょうが、筆者の広範囲な調査に脱帽しました。

筆者の本は初めて読みましたが、『もてない男』の時代と筆者の考えが変わった箇所と変わっていない箇所も明瞭であると思います。
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