貧乏(?)大学生玲央(れお)×ひきこもり漫画家朋樹の逆・年の差ラブ(本書あらすじより)
この(?)がちょっとしたミソなのですが・・・まあそれはおいといて。
面白かったですよー!
月村さんお得意の(?)ぐるぐる思い悩む受けが今作も健在です。
おおまかな流れはあらすじの通りですが、もう少しだけ詳細を。
公務員を辞め、今は漫画家として生計をたてているゲイの朋樹。
この朋樹が前職を辞するきっかけとなった、自分の性癖をめぐる5年前の出来事が彼のもともとのネガティブな性格に拍車をかけ、今では人間不信の塊となり極端に他人との接触を避けながら引きこもって漫画を描いています。
そんな彼の前に現れた隣人の大学生、玲央。
超イケメンなのに屈託がなく、人好きのする性格の玲央を好ましくは思うものの、恋愛など絶対にしない、一生一人で生きていくと心に決めている朋樹は、玲央とも必要最小限の挨拶を交わすぐらい。
しかしある日、空腹で行き倒れた玲央を助けたことから彼に懐かれ、あれよあれよという間にアシスタントのバイトとしてちょくちょく家に招き入れる関係に。
苦学生らしいのに底抜けに明るく、人懐こい性格の玲央にますます惹かれていく反面、ノーマルな玲央に、そんな自分の想いを絶対に気取られてはならないと自戒する朋樹。
ところがそんな朋樹の思惑とは裏腹に、二人でワインを酌み交わしたある夜、なんと玲央に抱きしめられ「好きです」と告白されてしまいます。
しかし過去のトラウマのせいで、その言葉を素直に信じられない朋樹は「からかってるんだろう」と冷たく拒絶するのですが、その言葉に意気消沈する玲央を見たとたん、朋樹の理性の箍が外れ、とんでもない暴挙に出てしまい―――。
いや、もうこの暴挙っぷりが・・・。
それまでの朋樹の書かれ方からはとても想像がつかないような驚くほどの突飛な行動で、玲央ともども目が点になってしまうほどの衝撃を受けました。
月村さんて、こんな引き出しも持ってる方だったんですね。
確かに全作読みきってるわけじゃないので私が知らないだけなのかもですが・・・なんだかカルチャーショック気味、いや、いい意味で、ですよ。
ますます月村作品が好きになりました。
とまあこんな朋樹の衝撃的な行動も、ひとえに過去の傷を繰り返さないための過剰な自己防衛なわけで、そんなふうにしか玲央への想いを形にできない朋樹の臆病な性格やプライドの高さが、ちょっと極端すぎるとは思いながらも何だかすごく哀しくて、終盤玲央の素性が明らかになった際、「からかわれた!」と憤る朋樹の切ない心情にも胸がキュンと締め付けられました。
それから攻めの玲央についてですが。
見た目はもちろんですが、中身も非常に男前です。
明るくて素直で人懐こくて、でもきちんと礼儀はわきまえていて。
自分のやりたいことをやるためには赤貧生活も苦にならない。
朋樹のことに関しても、ひと回りも年下なのに、相手の気持ちをきちんと慮って自分の想いを無理に押し付けるようなことは一切しない。
こんなのが身近にいたらそりゃ惚れるわ、というくらい完璧な人物に書かれてて、こんな文句なしに男前なヘタレてない年下ワンコ攻め、久々に見たような気がします。
きちんと恋人同士になった後の、ラブラブHも非常に良かったですよ。
月村さんがあとがきで「わたしにしては肌色シーンが多め」と仰ってましたが、確かにそうかもしれない。
王道BLがお好きな方なら文句なしに楽しめると思います。
それと表紙イラストも良かったです。
陵さんは好きなレーターさんのお一人ですが、私的にカラーとモノクロのギャップがけっこう気になる方で、いつもちょっと残念な気がしてたんですが・・・。
今回はモノクロ絵もなかなか素敵でした。エロシーンもちゃんとエロかったし(笑)。
もっと月村・陵コンビで読んでみたいな〜。