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最初は、不倫の男女の恋愛話だと思っていました。確かに(途中までは)不倫には変わりないのですが、愛永という人のダイヤモンドのように澄み、かつ強靭ともいえる意志と、新たな命を中心にして結ばれた4人の<家族>としての関係など、不思議と純愛さ、あるいは恋愛を超えたところにある「何か」の方が勝ってるように感じます。それも自己満足やきれいごとではなく、様々な人を巻き込み傷つきあった果て、のことなのです。
愛永から航平へのさいごの手紙。予言のような手紙―「さよならではない、また会える」―そうやって紡ぎだされる人と人と自然、<いのち>の不思議な連鎖。そして、心の関係だけで人と人は愛しあい続けることは可能なのか。それはどうかわからないけど、「できる」というひとつの可能性を提示してもいます。
野沢尚という人はほんとにとんでもない人なんだなと、こんな形の純愛を書ける人は、巷でどんなに「純愛」を謳った本が人気だろうが、いないんじゃないかと思います。亡くなられたことが悔やまれます。
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