売れっ子作家の石田衣良がおくる恋愛エッセイ。
いつもながら、著者の言葉選びの腕は絶品。ここまでセンスよく言葉を扱える人は現代作家の中でもそうそういないのではないでしょうか。
その良質の言葉と著者のリベラルな意見があいまって、本書に妙な説得力を持たせています。
「恋愛(結婚)にはマネーの知識も必要」とか「決まった当たりクジはないのだから、手当たり次第に付き合ってみるのも手」など、一瞬言葉に詰まるようなことも、著者が発信するとなぜかストンと内側に落ちてくるから不思議です。
ちなみに私がナルホドと頷いてしまったのは以下の文。
「人間は、重大なことは軽やかに選んだほうが、むしろいい結果が出たりするものなんですよ。それで失敗したら、笑ってそのカードを捨てればいいんです。次のカードはひけるんですから。」
著者が結婚ついて言及したものですが、私はこれを読んで就職先をエイッと決めました。
恋愛に特別興味がなくても、生活の中でいきづまったときに本書を開けば、打開のヒントを得られるかもしれない、そんな1冊です。