いい。一言、とてもよかった。とても切なかった。とても感動した。
どこまでも片思い。
自分の片思いをわかっていながら、やめられない。どこかに片思いを成就させるきっかけを求めている。と同時に、どこかで片思いを辞めるきっかけも求めている。
どうあがいても零を好きな真屋。
独特の話し方と、その人生に対するスタンス、人となりにまず惹かれます。
そしてちょっといい加減な友人、無花果。無花果家の変わった面々。
そして、やはり独特な性格を持つ零。
全ての繋がりが切なさをはらんでいて、周囲の砕けた雰囲気の中で、真屋だけがいつまでも敬語で態度を崩さない。
その温度差がよけい切なさを誘っている感じ。
零に本音を話せる機会が何度かめぐってくる。
何度か好きだと言えるチャンスが巡ってくるのに、毎回高揚した雰囲気が何気ない一言や場面で一気に急降下。
やはり片思いなのだと思い知る。
このアップダウンが、この本の醍醐味?でしょう。
どこまで胸を痛めればいいのか、どこまでしたら真屋の希望は叶えられるのか。
先を追わせたいと思わせる名本です。
最後には納得いく終わり方をしますが、実は零って本気の相手にはとことん自分を曲げれる男だったようで、それがまたかっこよい。
意外に慣れれば尻に敷かれるタイプだったのか、零・・・。