「もう一度だけ円舞曲を」が三作目で、今回は一作目。アルファベット順に名づけられたブリジャートン子爵家で一番最初に結婚することになる長女ダフネのお話です。
ダフネは気立てがよく優しい性格ですが、しつこい求婚者をパンチで気絶させる気の強さも合わせ持つ女性。
そしてちょうどパンチをくり出している時に出会ったのが兄の友人でもある公爵のサイモンでした。
強烈な出会い方をした二人はそれぞれの思惑から意気投合し、「付き合っているふり」をすることになります。ダフネは公爵に気に入られたという箔がつき、より良い求婚者が出てくることを願って。サイモンは一人の女性に固執している姿を見せれば他のうるさい女性たちを追い払えると願って。
しかし「付き合っているふり」はやがて「本気」を生み出し・・・特に過去の経験から結婚することを頑なに拒んでいるサイモンにとっては厄介な状況で、二人は何度となく誤解とすれ違いを繰り返すことになります。
三作目が先に出ていますが、今作のヒーローとヒロインのロマンスに関してはほとんどネタバレされていなかったので、問題なく読めました。
あいかわらず最強なブリジャートン兄弟の母親と、そして八人の子供たち(中でもダフネの三人のお兄様たち)など脇役たちの活躍が光りますが、冒頭部分にヒーローの辛い過去が語られていることでヒーローもちゃんと目立っています。
脇役達はあくまで物語をコミカルに彩る存在で、物語の中心はヒーローとヒロインが自分達の力で試練を乗り越える良質のロマンス。一見完璧に見えるヒーローが抱える辛い過去をヒロインの強い愛で救う姿はとても読み応えあります。
最後の読後感も良いおススメ作品です。