この作者は、天才だと。ここまで一貫して「自分の奥なる哲学みたいなもの」を描ける人は、不遜ながら、そうそういないなと思ってしまいました。心の動きからくるドラマなので、一見、静の印象をもたれるかもしれないけど、「底辺に潜んでいる心の襞」を、ちゃんとドラマに成しているのが、とても素晴らしい!胸にゾワッと熱のような痛いものを抱えて読んでしまう。いちいち作品が美しい。作者の登場人物に投影する精神みたいなものが、複数の短編作品のキャラによってレベルの差こそあれ、内なるところで、自己否定があり、でもどんな設定でも「他者への愛情」を一番にしていて、それが作品の美しさになっていると。不満が一つ。「絵に描いたような」の続編があったけど、ボツになったので掲載できなかったとのこと、もうぜひぜひ読みたいですっ!!