◎ 内容紹介
美術史という学問は、面白い。
絵に描かれたことは、描いた人の心情を映し出し、
その時代や地域の社会背景を浮かび上がらせ、
そして観る者の心の中になんらかの反応をひきおこす。
人類の歴史は、現代のように文字が
コミュニケーションにおける有効な手段である時代よりも、
識字率がおそろしく低い期間のほうがはるかに長い。
だからその間のことを知ろうと思えば、
最大のメディアだった絵画を「読む」必要があるのだ。
(「はじめに」より)
恋愛----それは人類の長い歴史を通じて、
私たちの人生にとって常に重要なものであり続けた。
画家たちの恋愛事情、奔放な性的エピソードに溢れた神話、
人類の恋愛の諸相を捉えた、新しい角度からの西洋美術史。
◎ オビ表
秘密の恋から
奔放な性まで。
絵画表現の
ウラを読む
◎ オビ裏
【人類永遠のテーマ】
神々は激しく愛しあい、文学作品の登場人物たちが熱く抱擁しあっている。
こちらでは抱かれる寸前の女性が木々に姿を変えようとしており、
あちらではなぜか女性が短剣で自らの胸を貫こうとしている。
そのうちにいやでも気がつく。美術作品のかなりの部分を、
恋愛のテーマが占めているということに。
(「はじめに」より)
◎ プロフィル
池上英洋(いけがみひでひろ)
1967年広島県生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修士課程修了。
専門は西洋美術史。現在、恵泉女学園大学准教授。
レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、
中世からバロック時代の芸術の分析を通じて、
社会構造や思想背景を明らかにする方法に定評がある。
2007年の「レオナルド・ダ・ヴィンチ--天才の実像」(受胎告知)展での日本側監修者。
著書に『Due Volti dell'Anamorfosi』(ボローニャ大学出版局)、
『ダ・ヴィンチの遺言』(河出書房新社)、
『レオナルド・ダ・ヴィンチ--西洋絵画の巨匠8』(小学館)、
『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(編著、東京堂出版)などがある。
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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
概説書、入門書として十分楽しめた,
By
レビュー対象商品: 恋する西洋美術史 (光文社新書 384) (新書)
著者は東京芸大卒で現在恵泉女学園大学の准教授。本書は西洋美術に描かれてきた恋愛の意味するところを、その時代背景とともに読み解いていこうという書です。取り上げられるのは男女の性愛に限らず、ギリシア神話における神と人間との交情や、同性愛、売買春に至るまで、さまざまな関係が西洋美術でどのように、またどういう理由から描かれてきたのかが、平易な文章で記されています。 書かれていることの中には西洋美術ばかりでなく、西洋文学を味わううえでも助けになるような事柄も含まれています。 例えばプレキフというロシア人画家が1873年に描いた「不釣り合いな結婚」という絵画。資産家風の初老の男と若く美しい花嫁との結婚を描いた絵ですが、著者はこれを引きながら、中世から続いた年齢差のある婚姻が19世紀にまで続いていた要因について解説します。出産時に命を落とす妻が多い一方で、子をなすことを結婚の最大の目的とする考え方が、富める一部の年長男性と貧しく若い女性との再婚を一般化させたようです。 本書と相前後するようにドストエフスキーの「罪と罰〈下〉 (岩波文庫)」を読みましたが、プレキフと同時代のこの小説では、地方地主のスヴィドリガイロフや弁護士ルージンが貧しい主人公ラスコーリニコフの妹ドゥーニャに言い寄るという話が出てきます。当時のロシアでこうした経済格差と年齢差がセットになって結婚話が進むのが珍しくなかったことを改めて知りました。 本書の難点は、新書という紙数の限られた書物に、古代から近代までの西洋美術史を概観する情報を盛り込んだため--新書にしては珍しく300頁近くあるとはいえ--どうしても個々の作品の解説が短く淡白で、時に断片的なエピソードに終わった印象を与えるところです。 本書は入門の書として読み、興味をもった時代や作品については別の書でさらに奥深く分けいっていくというのがよいかもしれません。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
エロスが語る西洋美術の世界,
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レビュー対象商品: 恋する西洋美術史 (光文社新書 384) (新書)
西洋美術の性愛や情欲の描写に着目して、紀元前の彫刻から近代絵画までを解説した本。なお、美術史とタイトルにはあるが、純粋に歴史を解説したものではなくて、画家の逸話、神話と美術の関係、愛情表現の形といった章立てがされている。 パラパラとめくった限りでは、教科書的で真面目な構成だが、中に入っていくとなにやら毒づいていて確信犯的。 かといって全くの私見ではなく、学説や研究成果を元にストレートに語っているところが潔い。 表現の俗っぽさに嫌悪感を感じる人もいるかもしれないが、下品まではいかず、ギリギリのところで抑えてあるのはさすが学者。例えて言えば、電車内で読んでも恥ずかしくない感じ。 教育的な視点では神聖化されがちな西洋美術にあって、このような書があるとほっとする。 美術を楽しむ上での、禁断の果実としておすすめしたい。
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
面白い!!!!,
By A (東京都」) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 恋する西洋美術史 (光文社新書 384) (新書)
題名通り、恋愛に関することが詳しく書かれている。絵画の描かれた時代の恋愛、社会秩序が淡々と読みやすい口調で書かれているためあっという間に読めた。絵画や当時の社会背景を知る入門書として良書。 本文中にお勧めの関連書が記されているのがあり難い!!! 画家の恋愛にも触れてあるのがまた面白い!!!! 後半部分で当時の恋愛の様子が詳しく書かれている。へー、と思うようなことばかり。 このシリーズ面白いです。
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