最近はまり、見事に大人買いの道を経てラストまで一足飛びにこぎ着けたのですが、いや、良かったです。
ずっと連載を追いかけ続けてきた人にとってはやきもきする期間もあり、その分感慨もひとしおだったろうと思うのですが。
高永先生の力量(というか努力?執念?)を思い知るのは、なんと言ってもキャラの人格を曲げずにその変化を描ききっていること。
お見事です。拍手を送りたい。
全てのBL愛好家は「セクシャリティを越えるのは簡単なことじゃない」という森永兄の言葉に少なからずドキッとさせられたのではないかと思うのですが(笑) わたしもその一人です。
いつの間にかステレオタイプ的な目線で見ていたのだなあ、と。それはゲイである森永も同じであったのでしょう。
そういった見方を少し変えてみると、宗一がいかに自分の性という部分から譲歩してきたのか、というところに目が行くようになる。
読者が「先輩は譲歩してくれていた」と、まるで森永と同じように、宗一のことを改めて理解できるのです。
これって、すごいことではないでしょうか。
「したい」わけではなく、森永のことを「好き」なわけでもない。
しかし森永が離れていくことに心を痛め、森永の曇った顔を見るのは耐えがたい。
そんな一個人としての宗一の微妙な心の機微を、ストン、と納得いく形で見せていただきました。
森永の頭を抱く宗一のカットは息を呑むほど美しい情景であり、それが「先輩」の全てであるのだと感じます。
BL漫画で何がいい、と聞かれたら、まずこの作品を薦めようと思います。