魂の入れ替わったふたりの男と、結婚に悩むヒロインを描いたこの作品、
脚本は悪くないのに、なぜこんなに「軽く」「間が抜けて」いるのか。本当に惜しいことだ。
よく「TVドラマっぽい」という作品があるが、本作はその評価にも及ばない出来だと思う。
第一に演出の甘さがあるだろう。
どこに向かって、何を意図しているのかわからないシーンが多く、テーマが散在しすぎなのだ。
結局、塚本演じるシェフだけが割を食った形で終わってしまうのもあんまりだしね。
第二に俳優の選定ミスもある。
主演の3人は上々の芝居だったと思うが、もっとオトナ向きの作品にしたら全然評価も違ったのでは。
30代近辺の竹内結子とか「トモダチ」感の強い佐藤隆太とかをキャスティングしたら
印象も仕上がりも見違えたはずだ。それから、真琴つばさの「大芝居」も合わないだろうって(笑)。
「インシテミル」もそうだったが、北大路欣也はもう少し作品を選んだ方がいい。
第三にスコアの軽さ。
日本映画は元来、映画音楽に気を使わないが(というかそこまでの予算がない)、これはあまりにひどい。
局の予算少なめ「旅」ドキュメントあたりのMA作業で「このあたりどうでしょうかねえ」
「うん、いいんじゃない?」くらいの感じで決めたとしか思えないぞ、これ。
そういう「不幸」が重なって、本作はこういう出来になった(笑)。
特典ディスクには楽しそうなメイキングや舞台挨拶が収録されているが、和気あいあいなのはいいにしても
撮影用クレーンに「遊び」で俳優を乗せるなんて、どういうことか?仙元だったらぶん殴られてるぞ(笑)。
料理もせっかくこだわっているのに(三浦屋の米粉パンなんて中央線沿線じゃないと味わえない「通」のものだし)
ほとんど生きていない。
ちょっと残念な出来で、星は1に近い2つです。