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恋しぐれ
 
 

恋しぐれ [単行本]

葉室 麟
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

蕪村、最後の恋。五十近い歳の差を厭わぬ一途な想いに友人の応挙や秋成、弟子たちは、驚き呆れるばかり。宗匠と祇園の妓女の恋路の結末は…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

葉室 麟
1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後地方紙記者などを経て、2005年『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞。09年『いのちなりけり』が直木賞候補、『秋月記』が山本周五郎賞・直木賞各候補、10年『花や散るらん』が直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 249ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/02)
  • ISBN-10: 4163299505
  • ISBN-13: 978-4163299501
  • 発売日: 2011/02
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 葉室麟の短編小説集を初めて読みました。この作家の
長編小説はモチーフが横に拡がり、しかもどこも内容が
濃いので息がつけずわたしは苦手でした。それに対しこ
の短編集は起承転結がはっきりし、適度にアクセントの
強弱がついてなじみやすくとてもよかったです。
 内容は、与謝野蕪村の遺した俳句をヒントに彼と友人
の円山応挙、そして蕪村の家族や弟子達の出来事を創
作したものです。著者の想像力と洞察力が短編という形
式にまとまり、読み応えがあります。蕪村と応挙の老いら
くの恋の行方や弟子の大魯の粗暴の顛末、どれもひとす
じ縄でいかぬ我執のあり様を、さりげない筆で書き切り深
い味わい(見返しに和紙を使った装丁も見事です。)があ
りました。
 ここでは、応挙に弟子入りした夫婦の意外な結末を綴
った「牡丹散る」の悼尾を飾った句を掲げておきましょう。
   
     牡丹散てうちかさなりぬ二三片
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By maysuke
形式:単行本
本書の宣伝文句から、与謝蕪村の老いらくの恋を描いた長編小説かと思いましたが、少し違っていました。

蕪村が50歳年下の芸妓・いとに抱く恋心についても描かれているのですが、蕪村の娘・くのの恋心、蕪村の弟子・月渓(後の松村呉春)の恋心、蕪村の友人・円山応挙の恋心等、蕪村と蕪村に関わる人々の多彩な恋心が、作者独特の静謐な文章で描かれています。7編の短編からなりますが、蕪村の恋の話で始まり、他の人の恋の話になり、最後にまた蕪村の恋の話で終わるという構成で、最後の最後に蕪村が心の奥底に大切に秘めていた気持ちがチラと伺えるという、心憎いまでの構成が素晴らしい。

本書のもうひとつの魅力は、円山応挙、上田秋成、松村呉春等、江戸中期の芸術家の素顔が人間くさく描かれているところ。遠い世界の芸術家たちがとても身近に感じられます。

淡々とした清雅な文章は素晴らしく(私はこの文体が大好きです)、どの恋物語も味があるのですが、女性の立場から読むと、人間の奥底に潜む煩悩や微妙な女心の表現にちょっと物足りなさを感じてしまったのが残念。なので星4つにしました。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本書は、『銀漢の賦』や『秋月記』などの

歴史小説で知られる著者による連作短編集。

江戸時代の俳人・与謝蕪村と、

上田秋成、長沢蘆雪など彼の周りに集う人々の諸相を、

重厚ながらも繊細な筆致で描きます。

芸妓と恋に落ちたがゆえに藩を追われ、

俳人として生きる男を描く『隠れ鬼』

江戸期を代表する画家・円山応挙と、

彼のもとに弟子入りした若夫婦を主人公にした『牡丹散る』

―など、どの収録作も味わい深いのですが、とりわけ印象的だったのは

蕪村がはるか年下の妓女に恋をしたことから起こる騒動と、

その後を記した『夜半亭有情』『梅の影』です。

天明期の文化人たちの不思議な縁を大胆に描くとともに、

彼らの繊細な心情をその作品と鮮やかに対比させる本書。

蕪村や歴史小説に興味がある方に限らず、

多くの方にオススメしたい著作です。
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