学校の怪談ではない。怪談の学校である。
京極夏彦など4名からなる「怪談の怪」は、1999年結成。
「怪談を聞き、語り、愉しむ」ことを目的とし、「日本が誇る怪談文化を復興すべく、夜な夜な普及活動にいそし」んでいるということだ。
そして、その怪談の怪が雑誌「ダ・ヴィンチ」誌上で行った「怪談の怪・創作教室」が本書のベースである。
全国より寄せられた怪談(短編/創作)の投稿作品を怪談の怪の面々が講評し添削する。
「なんだ、素人相手の創作講座の類か」と笑うなかれ。
とかく即物的な文章技術や観念的な小説論のどちらか極端に振れがちなこのテの本の中にあって、本書は異彩を放っている。
なにより、怪談というジャンルに的を絞り掘り下げたことによって、却ってより広いジャンルに応用可能な創作の技法、考え方が、投稿怪談という具体的な素材を通して提示されているからである。
4人のメンバーの個性によって、評価の視点が異なり、アドバイスのテイストが変わってくるところも面白い。
添削後より添削前のほうが出来が良かったりするトコロもまた良し。
創作に絶対の基準はなく、絶対はないが良いものはやはり他とは違う。
このあたりの機微を具体例を通して感得できるのが本書のスバラシさ。
文章を書きたい人、なかでも創作文章を書きたい人であれば、志向するジャンルに関わらず一読して損のない一冊である。