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怪獣ラバン
 
 

怪獣ラバン [単行本]

水木 しげる
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

 1958年に貸本出版社の暁星から「東真一郎」名義で刊行されたB6判単行本を完全復刻します。作者オリジナルのゴジラならぬ怪獣ラバンが登場するパニック・サスペンスものですが、そこは鬼才だけに、たんなる怪獣ものの範疇を飛び越え、突然変異してしまった怪獣の悲しみを諄々と描き出しています。

 貴重な生命の秘密を解明するためにゴジラの血を採取するため、研究隊が南洋へ赴きますが、生き残った隊員の一人は毒矢に負傷し、功績を独り占めしようとした隊員によって、ゴジラの血を輸血されてしまう。突然変異して生まれたのは怪獣ラバンだった...。著者の戦場体験と引き揚げ者の労苦を織り込んだ、水木思想開花の幻の傑作です。

 中条省平氏(学習院大学教授)の力作論考「異形の者の悲しみ」も収録。
「ここから数ページにわたって続く恐ろしい変身の場面には、その後に洗練される水木タッチとは異なる生々しい醜悪さが露呈して、読む者を驚かさせます」

出版社からのコメント

 1922年、鳥取県境港市に生まれる。兵隊として戦争を体験したのち、終戦後より紙芝居、貸本漫画などを執筆。1964年に『ガロ』にて商業誌デビューし、妖怪を扱った作品により人気作家となる。代表作『ゲゲゲの鬼太郎』は5度TVアニメ化されるなど国民的作品となった。 

登録情報

  • 単行本: 128ページ
  • 出版社: 小学館クリエイティブ (2009/07)
  • ISBN-10: 4778031237
  • ISBN-13: 978-4778031237
  • 発売日: 2009/07
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 531,585位 (本のベストセラーを見る)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 貧書生 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 
本書は水木しげる先生が1958年に東真一郎名義で暁星から出した貸本漫画の復刻です。
ラバンとは人間の血とゴジラ(!)の血とが何かの関係で総合された結果うまれた、新種
の動物のことです(外見は巨大化した大トカゲです。鼻から煙を吐いています)。物語は
人間がラバンになると、どんな運命が待っているのか。当事者の人間関係をまじえて描い
ています。

では本書の興味深い点が何かといいますと、この作品がのちに鬼太郎作品として結実して
いることです。それは貸本版鬼太郎の「ないしょの話」、マガジン版鬼太郎の「大海獣」
です。つまり本書は両者の原型なのです。

三者を比較すると、つぎのようになります。

(1)怪獣ラバン(1958年)
 天才学生の水木一郎は学会でゴジラがニューギニアのポロゴン山で生息していると主張
する。これはライバルの伊川二郎がゴジラがどこかにいるとの発表の、さらに先をいく内
容だった。ちょうどそのころポロゴン山でゴジラが見つかる。そこで二人もゴジラ探検隊
に加わる。しかし伊川は手柄を独占しようと目論む。そこでゴジラの血を注射して水木を
葬り去ろうとする。それにより水木は怪獣ラバンに変身してしまう。(当時の人気作家、
手塚治虫や武内つなよしの作品を意識した絵になっています。しかし水木が毒矢に射られ
てから、ラバンに変身するまでの描写は、水木色が前面に出ています。この部分は三作品
のなかでも出色の出来です。)

(2)ないしょの話(1964年)
 天才学生の山田一郎は研究発表でニューギニアのラド湖に生息する鯨神(くじらがみ)
が、くじらの祖先ゼウグロドンであると発表する。それにたいしライバルの村岡花夫はそ
の存在を否定する。はたしてゼウグロドンは何十万年も生きているのか。そこで山田と村
岡は鯨神をさがす探検隊に加わる。しかし村岡は手柄を独占しようとし、この鯨神の血を
注射して山田を葬り去ろうとする。それにより山田は鯨神に変身してしまう。この作品に
は「三つの願い」のモチーフがくわわり、さらに深化している。また鬼太郎の関与は最小
限にとどまっている。

(3)大海獣(1966年)
 少年天才科学者の山田秀一はニューギニアで見つかったクジラの祖先の、大海獣(ゼオ
クロノドン)が不死の肉体をもっているのではないかとの仮説を出した。そこで山田少年
は墓場の鬼太郎とともに大海獣をしらべる探検隊に参加する。しかし山田少年は手柄を独
占しようと目論む。そこで大海獣の血を注射して鬼太郎を葬り去ろうとする。それにより
鬼太郎は大海獣になってしまう。

こうして見ますと、鬼太郎シリーズが受け継ぐかたちで、水木先生がこの作品を発展させ
ていったことがわかります。したがって本書は鬼太郎作品に親しんでいる人にとって、お
おいに興味ある作品といえるのではないでしょうか。

〈目次〉
    探検隊出発!
    現れたゴジラ
    おそろしいゴジラの血
    おまえは幽霊か?
    世界的大成功
    お守りの怪?
    それは怪獣ラバンだっ
    ひにくな運命!
    ラバン一号
    悲劇ラバン十七号

〈怪獣ラバン読本〉異形の者の悲しみ(中条省平)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
本書の装丁は「火星年代記」や「鈴の音」と違ってハードカバーのシッカリした作りになっています。
当ページのイメージでは、表紙の著者名が「水木しげる」となっていますが、実物のカバーが何とリバーシブルになっており、裏返して見るとチャンと「東真一郎」になってるんですねぇ。。。。しかもツヤアリの当時っぽい印刷になってマス!パチパチパチ

本書のタイトルですが、発行された昭和33年と同じ年に東宝は「怪獣バラン」を公開しており、映画好きで、タイトルやネームにさして拘泥しない水木センセの即物的な性格を考えると、「バラン」三文字の単純な組み換えだと推察しています。

朝ドラ「ゲゲゲの女房」で描かれているように、仕事を取るためにはペンネームを変えることすら厭わなかったセンセの強靭な目的意識を考えると、手塚風の柔らかい線で描かれたタッチも、キモチ悪いマンガを描く水木しげるを隠すために意識的に作風を変えているのでは?とすら思えてしまいます。
毎日が〆きりという紙芝居で鍛えられた、水木センセならではのアルチザンぶりではないでしょうか?

本文の印刷がピンク、ブルー、パープル、グリーンなど単色ながら数ページおきに色変わりする貸本独特の作りは、やはりこうした復刻でないと味わえないもので、こうした配慮は、邦画でも子供向け娯楽映画にカラー映画が珍しかった当時、「総天然色」と誇らかにスクリーンを飾っていた流行に呼応した弱小出版社の知恵であったように感じられてなりません。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
幻の名作復刊 2009/7/20
By くわもちじんぺい トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 デビュー作「ロケットマン」と同じ年(昭和33年)に、東真一郎名義で出版された貸本用作品。SFテイストに怪奇趣味も加わって、水木しげる作品らしい味わいが濃厚だ。
 ストーリーは、後に「ないしょの話」に一部がリメイクされ、さらに鬼太郎の「大海獣」に結実する、南洋冒険・復讐譚だ。ライバルの妹からお守りを受け取ったり、家族に一目会おうとしても怖がられてしまうなど、後に使われるストーリーとしてはほぼ完成していたことがわかる。
 絵柄は手塚治虫の影響がみられ、「地獄の水」などと同様に、丸っこい漫画タッチである。後の劇画調とは大きく異なる。デビュー期に気合いを入れて丁寧に描いたらしい作品で、一作品としてのクオリティーも高い。
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