自分は特別な存在、いつか何かをやる人間、主人公マサキはそう思いながらも、自分では変われないと分かっていた。だから世界を変えてくれる「ちいさな奇跡」そんなことを思いながら夜空を眺めていると、
デカイ隕石が落下。根っからの怪獣オタクのマサキは「宇宙怪獣」だったりしてと妄想しながら来たれ! と叫ぶ。
とまれ、それは怪獣の卵だった……。
中から生まれたのは尻尾の生えた女の子の怪獣?
最初に見たモノを親と認識する動物の行動に「刷り込み(インプリンティング)」があるが、その女の子はマサキのことを「おとーさん」と呼び、それがきっかけでマサキは怪獣の親になる。
とにかく、主人公の周りの人間たちが、怪獣に寛大です。
こっそりとテイルと名づけられた女の子を家に連れ帰り、翌朝茶の間に行くと、両親が何の疑問も抱かずにテイルとご飯を食べているし、獣医師のおじいちゃんが熱暴走したテイルを診察してくれたりと。嫌味の無いほのぼのとした日常がゆるゆると展開していきます。
マサキは怪獣力に対する期待感で教育熱心に「怪獣DVD」を怪獣っぽさの足りないテイルと共に観、怪獣とはなにかを仕込んでいきます。趣味まさにここに極まれりでしょうか。テイルも劇中劇の怪獣が放つ火炎放射に憧れ、「いーなー」とうっとり。
「これやりたい!! わたしも!!」
「おいおい、結構難しいやつだぞ。それ。お前にはまだ早いが安心しろ」
「ゴーーって!!! ゴーーーって!!!」
「俺が…お前を大怪獣に育ててやる。だからきっと…ん?」
ゴオッ
「ご…、ご…ゴーでた」
そうですね。人に向かって火を吐いたらいけないですね。
作中では、ボイラー式ではない銭湯のお湯を沸かすために使われたりしています。
メインキャラは主人公のマサキとテイルの他に、怪獣オタクで同志ののカオリさん。強い生き物に目が無く隙あらば怪獣を捕獲しようと試みる、大金持ちの円(まどか)。マサキの幼馴染のかなめ。と女の子が揃ってます。でもやはり一番の魅力は怪獣娘のテイルでしょう。「おとーさん」と慕う口調や行動などが、あずまきよひこ氏の漫画「よつばと」のよつばそっくりです。よつばとが好きな方ならきっと雰囲気が気に入ると思います。
ところで、コミック後半でまたもや宇宙から飛来した怪獣が出てきますが、雰囲気がクトゥルー神話のクトゥルーそっくり。神話を思わせるようなガジェットは特に無く弱っちいのですが、神話ファンの身としては「宇宙から飛来した蛸」というだけでドキドキしてしまいます。脊髄反射ですね;
次巻では、あまりの怪獣欲しさに円がメカ怪獣を作ってテイルに挑んできます。まさに怪獣特撮のセオリー。ちなみに、ブックカバーを外すと「怪獣図解・NO.1適応怪獣テイル」が描かれています。グッド!
よつばとのようなほのぼの日常系が好きな方、そして勿論、特撮怪獣好きな方にもお薦めの逸品です。