怪物くんは安孫子作品の中でももっとも好きな作品で、21巻の全集も所持していますが、ベストセレクションとして何が選ばれてるのか知りたくて買ってみました。
友情編、ということですが、怪物くん初登場「怪物くんたちのきた夜」から始まって、怪子姫の登場「やってきた怪子ちゃん」など入門編として初めてでも読める構成になっています。
さらに初登場編のあとの2番目に「ぼくは悲しい怪物っ子よ」が掲載されており、これはぼくも全エピソード中の最高傑作のひとつと思っていた作品で、これでこの本がベストセレクションと言えることに納得しました。また巻末にはヒロシくんとの友情をテーマにするならまずはずせまいと思っていた「おやじが出たぞ!!」があり、このエピソードは怪物ランドと怪物大王の初登場でもあり、これも欠かせないお話です。
その他の収録作品もすべて少年画報と少年キング掲載作品であり、ずっとあとにコロコロコミックなど低学年誌向けにリライトされたダイジェスト版などが含まれないのもぼくにはうれしいことでした。
怪物ファミリーの紹介と対決エピソードのはしりであり、怪物くんの超能力・念力とカミナリに弱いという意外な弱点の紹介「ハニワくんと大怪神」、フランケンを主人公とするエピソードの代表作「父よ!弟よ!」。
ヒロシくんがじつは幼いころ両親と死に別れており、お姉さんと二人暮らしでありときに怪物くんを助けたり怪物っ子サトルくんがいじめられてるのを助けたりするたくましさを持つ背景を思わせる「パックに頼んで夢の旅」。
王子として、怪物くんが時に困っている怪物たちのために手を差し伸べるエピソードの一つ(このあたりは他にも傑作はあるのですが)「軟獣フニャラがおこった」など、読み応えのある作品が続きます。
全体として、ベスト版というより怪物くんの入門として初めて読んでも楽しめる作品集に仕上がっていると思います。