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怪帝ナポレオン3世
 
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怪帝ナポレオン3世 [単行本]

鹿島 茂
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容説明

史上最悪の皇帝は本当に大バカだったのか?漁色家、放蕩家、陰謀家、そして捕虜になった間抜けな皇帝、一方、パリ大改造、消費資本主義を発明し、世界史の流れをも変えた男。前代未聞の一代記ついに登場!

内容(「BOOK」データベースより)

花の都パリを造り、消費資本主義を生みだした皇帝は、貧困根絶をめざした社会改革者でもあった!?この摩訶不思議な人物の実像を徹底的に解明する。

登録情報

  • 単行本: 486ページ
  • 出版社: 講談社 (2004/11/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062125900
  • ISBN-13: 978-4062125901
  • 発売日: 2004/11/30
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.4 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 173,544位 (本のベストセラーを見る)
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23 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 矮小化されたイメージを一新させる秀作, 2005/9/4
レビュー対象商品: 怪帝ナポレオン3世 (単行本)
「愚物が偉大な叔父の七光りで政権を手に入れたが、分不相応な拡張主義が祟って没落」という従来の見方を一新させる。ルイ・ナポレオンの理想は自著にも記された「民衆の正当なる欲求を満たすことによって革命の時代を閉じる」こと、すなわち大革命以来の政治的動乱の時代に終止符を打ち、内政の安定のもとで産業振興と労働者階級の福祉充実を図ることにあったと筆者は分析する。
矢継ぎ早の福祉政策や、労働者階級の政治的権利拡大などの施策は、第二帝政が大衆の支持に立脚するという点を割り引いてもなお新鮮である。これらはルイの思想形成にサン・シモン主義が影響を与えた結果であるとしている。
また、パリ大改造についてもその着想の出発点を衛生、景観、治安対策に矮小化させることなく、流通促進と循環による富の増大を視野に捉えていたことを立証している。
不動産担保に拠らない事業金融会社を創設し、退嬰的だった伝統的銀行までがこれに刺激され商工業、運輸が急速な発展を遂げる様子、独断で電撃的に締結した英仏通商協定(関税クーデタ)で自由貿易に道を開き、結果的に国内産業の覚醒を促したことなど「産業皇帝」としての側面も紹介されており、こうした新しい時代の幕開けを感じさせる記述は、本書の中でも一きわ精彩を放っている。
外交・軍事における失敗(メキシコ出兵、普仏戦争)や、クリミア戦争、イタリア戦争の悲劇的側面にもしっかり言及している。結果的には外交面での蹉跌が致命傷となったが、その功績にも光を当てることで、近代国家フランスを準備した君主の真実の姿を立体的に描き出すことに成功している。
風刺画、写真、肖像画が豊富に使用されており、本書の起伏に富んだ盛りだくさんの内容を理解するのに大変効果的。
植民地政策への言及がわずかである点は少々バランスを欠くかもしれない。
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32 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ようやく本格的に登場したナポレオン3世の評伝, 2005/1/17
By 
ルララ (沖縄) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 怪帝ナポレオン3世 (単行本)
私は、ナポレオン3世ほどマルクス主義的歴史観の犠牲者はいないと考える。それはパリ改造をはじめとしてフランスを近代国家に導いた偉大な皇帝でありながら、常に伯父ナポレオンの栄光を傘にクーデタという反動的な方法によってフランスを乗っ取った独裁者とわが国では今でも扱われていることだ。実際、彼は「貧困の絶滅」を唱え、労働者の生活改善を訴え、今の社会保障システムの原型を提唱した人物でもある。更に鉄道建設をはじめとする公共事業を推進するなど、国内のインフラ整備を進めたのも彼の治世においてである。彼が提案したことは今日においてはほとんど実現されている。それを19世紀のしかも2月革命の混乱のさなかにナポレオン3世は提案しているのだ。この先見の明はナポレオン3世が「馬鹿で間抜けな皇帝」でないことの証明である。彼の人となりやその思想をわかりやすく解説しているので、歴史好きだけでなく、大勢の人にこの「怪帝」のことを知ってほしいと思う。世界史で教わったナポレオン3世のイメージが変わること請け合いである。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 なぽぉ〜れおんすぁ〜せえ〜, 2010/4/24
レビュー対象商品: 怪帝ナポレオン3世 (単行本)
 昔、恩師が社会の学とは同じころに3人によって唱えられたのだ、と言われていたのを覚えております。その三人とは、オーギュスト・コント。フランシー・ド・トクビィル。そして、サン・シモンであると。彼らはほぼナポレオン3世と同時代人。彼らが生きた時代は時代はフランス革命で爆発した大衆の影響力が浸透した時代であり、社会という存在とその構成者たる大衆の力を自明のこととして認識せざるを得なかった。ナポレオン3世こそはそんな時代の空気を内面化した支配者と言えるような気がします。
 ナポレオン3世。著者が話のつかみにルパン3世を引き合いに出しているように、ノリにまかせたモンキー・パンチの作品にいかにもありそうな名前です。実際カール・マルクスやヴィクトル・ユーゴーが振りまき、その後の歴史家が踏襲してきたイメージは薄っぺらさや道化師っぷりを強調したものでした。しかし、本書ではそのようなナポレオン3世の印象を払拭することを試みます。ナポレオン3世はサン・シモン主義を奉じながら経済拡大を図り、パイの増大させることによって貧困を根絶しようとしたのです。その根本には時代の担い手となった大衆への信頼と期待があるように見えました。彼は、そのためにパリを改造し、労働者住宅を建設し、ベンチャー企業への融資を促し、戦争をし、労働運動に肩入れし、民主主義を導入し、そして何よりも皇帝にすらなったのです。
 常に理想を抱き、人々が好きで、女性はもっと好きで、詰めが甘いがへこたれず、ずうずうしいがどこか憎めない。夢を託したはずの大衆に求められたままに戦争をして敗れ、すべてを失った。必ずしも立派とは言えないその足跡はマルクスやユーゴーの中傷を否定しきれるものではありません。しかし、「食人鬼」皇帝や怪盗「紳士」よりも切れ者なのにどこか間の抜けた「3世」の方が、大衆な私は好きになりました。
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