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怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫)
 
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怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫) [文庫]

鹿島 茂
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

史上最悪の皇帝は本当に大バカだったのか?漁色家、放蕩家、陰謀家、そして捕虜になった間抜けな皇帝、一方、パリ大改造、消費資本主義を発明し、世界史の流れを変えた男。一大伝記ついに登場!

内容(「BOOK」データベースより)

偉大な皇帝ナポレオンの凡庸な甥が、陰謀とクー・デタで権力を握った、間抜けな皇帝=ナポレオン三世。しかしこの紋切り型では、この摩訶不思議な人物の全貌は掴みきれない。近現代史の分水嶺は、ナポレオン三世と第二帝政にある。「博覧会的」なるものが、産業資本主義へと発展し、パリ改造が美しき都を生み出したのだ。謎多き皇帝の圧巻の大評伝。

登録情報

  • 文庫: 608ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/10/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062920174
  • ISBN-13: 978-4062920179
  • 発売日: 2010/10/13
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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ナポレオン三世(ルイ=ナポレオン)はナポレオン一世の甥である。
しかし、ユゴーやマルクスなど知識人に嫌われたこと、戦争で捕虜と
なって帝政を終焉させるという最後などのため、ナポレオン三世と
その治世であるフランス第二帝政は低く評価されてきた。

本書はナポレオン三世の生涯と第二帝政の実像を描き、従来のマイナス
イメージを払拭している。
ナポレオン三世は多くを語らない「謎の皇帝」であり、「肉の欲望に
苦しめられた男」であるが、同時に「皇帝民主主義」「貧困の根絶」
という理想の実現に邁進し、社会福祉,貿易自由化,鉄道網敷設,パリ
大改造等、フランスの社会,経済に大きな変化をもたらしている。

著者は第二帝政をフランス近代の基礎とし、ナポレオン三世を
「評価されざる偉大な皇帝」として評価する。
「ナポレオン三世はナポレオン一世の無能な甥」などと聞いた
ことがある人に読んでみてほしい本、と言える。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
1852年から1870年まで続いたフランス第二帝政の立役者、ルイ=ナポレオン(ナポレオン3世)の生涯が描いてある。肖像画を見ると、「茫洋」としているし、女好きで脇が甘い点も数多く、最後には、プロシアとの戦争で捕虜になってしまう・・というドジもあり、低く評価されがち・・。

鹿島さんは、「そんな事はない。フランスの近代化に大いに貢献している!墓が亡命先のイギリスに置かれたままになっているのは(一世に比べたら)不当な扱いだ・。」と感じる。まずこの本を読んで背景を把握してから第二帝政下の文化(あだ花も含む!)についての関連本を読むと理解が進みそうだ。

三世の実績としては;1)パリの大改造。(鹿島さんによると、湿気の多い監獄でリューマチに苦しんだ経験から)、パリを光溢れる「花の都」にする計画を温め、それを果敢に実行した。それにはオスマンを大抜擢して担当させた。2)クレディ・モビリエー(公共事業銀行)を認可し、これが刺激となり、鉄道業が大発展を遂げる。銀行業全般も整備、拡充される。3)万国博覧会(1855年)を成功させる。4)イギリスとの関税協定を締結、(1860年)、一時的経済落ち込みはあったものの、その後、経済は活性化する。特に、「安くて良いものを大量に売る」というデパートが定着するなど、短期間の間にフランス近代化のベースが用意された。5)民衆の事を考えて民意を直接反映する皇帝になろうと努力(少々わかりにくいが、熟慮の上、突然、そのような行動に走る・・。)した様子も窺われる。

それでも、女性にはめっぽう弱く、あまりに人間らしく、軽く見られたのかな?

女性関連のエピソード満載;1)最初のクーデタの時の金ヅルは「女たち」しかなかった(元婚約者、以前の愛人、目下の愛人から軍資金をかき集めた!)、2)「露出された肌理こまかな肌にはめっぽう弱く」舞踏会でみつけ、迫ったが相手に焦らされた。結局、「結婚」を持ち出すしかなかった!とかでスペイン美女はウージェニー皇紀となる。(ちなみに、ひょんな事で、スタンダールとメリメが女性側のアドバイザーでメリメは手紙の代筆までしてくれたらしい。)3)このウージェニー皇紀、プロシアとの戦争の時は、背後から「遠隔操作」で電文を出しまくり、戦線を混乱させ敗戦の一因となった。4)「第二帝政がエロス全盛の時代として知られているのは、・・君主たるナポレオン三世自身が好色な男だったということが多分に関係している。最高権力者がエロス的人間であるときには社会の下々まで乱れるというのは・・ほとんど法則に近い。」(同書P486)。・・折から経済はバブルの絶頂期にあり、その「乱れ」に拍車がかかった・・。いやはや・・・。
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