ナポレオン三世(ルイ=ナポレオン)はナポレオン一世の甥である。
しかし、ユゴーや
マルクスなど知識人に嫌われたこと、戦争で捕虜と
なって帝政を終焉させるという最後などのため、ナポレオン三世と
その治世であるフランス第二帝政は低く評価されてきた。
本書はナポレオン三世の生涯と第二帝政の実像を描き、従来のマイナス
イメージを払拭している。
ナポレオン三世は多くを語らない「謎の皇帝」であり、「肉の欲望に
苦しめられた男」であるが、同時に「皇帝民主主義」「貧困の根絶」
という理想の実現に邁進し、社会福祉,貿易自由化,鉄道網敷設,パリ
大改造等、フランスの社会,経済に大きな変化をもたらしている。
著者は第二帝政をフランス近代の基礎とし、ナポレオン三世を
「評価されざる偉大な皇帝」として評価する。
「ナポレオン三世はナポレオン一世の無能な甥」などと聞いた
ことがある人に読んでみてほしい本、と言える。