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怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫)
 
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怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫) [文庫]

都筑 道夫
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

世にも奇妙な名作が、現代に蘇る!
作家は依頼を受けた怪奇小説を書こうとするがなかなか筆が進まず、ふと出かけた先で見たのは30年前に死んだ従姉そっくりの女で…。少年期の記憶の混乱から始まる幻想怪奇の世界。(解説/道尾秀介)

内容(「BOOK」データベースより)

「第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない」―長篇怪奇小説の執筆依頼を受けた作家だったが、原稿は遅々として進まない。あれこれとプロットを案じながら街をさまようが、そこで見かけたのは30年前に死んだ従姉にそっくりの女だった。謎めいた女の正体を追ううちに、作家は悪夢のような迷宮世界へと入り込んでいく…。奇想にあふれた怪奇小説の傑作が現代に蘇る。

登録情報

  • 文庫: 224ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/1/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087466590
  • ISBN-13: 978-4087466591
  • 発売日: 2011/1/20
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 126,367位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Nody トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
およそ怪奇小説とも思えぬメタフィクション的な書き出しで始まるが、だんだんと理性的であったはずの書き手が妄執の虜になっていく過程が怖い。モダンな探偵小説の名手であった作者らしい、理知と恐怖の狭間、これこそがモダンホラー。
作者は早川書房時代に名アンソロジー『幻想と怪奇』を編み日本に現代的なホラー小説をいち早く紹介した編集者であり、自称世界で最も怪談を多く書いた作家でもある。その手錬の筆致を堪能できる『雪崩連太郎』シリーズと並ぶ著者の怪奇ものの代表作。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
主人公の作家「都筑道夫」が「怪談」の執筆依頼を受けて本作を書き始めた、という人を喰った説明で始まる「怪奇小説」。作者が自らを技巧派と称するのが頷ける緻密な構成に成っている。

締め切りに迫られた主人公は、巷間知られていないアメリカのスリラーの舞台を日本に移した作品を書く事を思い付く。その結果である本作の構成が凄い。

(1) 基になった(架空の)アメリカの小説の記述内容
(2) (1)の舞台を日本に移した主人公の執筆結果
(3) (2)の作業中の主人公の日常を描いた三人称部分

前半はこの(1)〜(3)が切れ目なく続いて、読者に酩酊感を与える。(3)の中で、主人公が幼い頃に亡くなった筈の従姉を見かけた所から始まる、所謂怪談風エピソードもキチンと用意されている。この従姉に見えた人物が実は(美)男だったという作者にしては珍しいエロティック趣味も出しているが、その美男「ムリ」が元は女だったと告白する辺り、虚実の罠が深い。全編濃いブラック・ユーモア味も漂っている。そして、失踪した「ムリ」の本名は、戦死した主人公の従兄と同姓同名らしい...。この辺から(3)を主体にミステリ味・怪奇味が濃厚になって来る。

結末に到って構想の壮大さに圧倒される。迷宮感と異形性が強烈である。「鱗と穴」が怖い。精緻な構成も光る。まさに快作(怪作?)と言って良い出来だと思う。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 東の風 トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 ひゃあ、びっくりたあああ!
 本書の最終章の半ばまで差し掛かり、この小説の着地点が見えてきた時、心の中で思わずこう、驚きの声を上げずにはいられませんでした。ほんと、大団円でのこの決着の付け方(決着したのか?)は、全く予想外でしたから。
 話は、怪奇小説の締め切りに間に合いそうもなくなった小説家の男が、誰も読んだことなさそうなアメリカの怪奇小説『The Purple Stranger』を日本の舞台に置き換えて盗作する・・・という辺りから、あたかも迷路をめぐるように展開していきます。
 そして、主人公の作家があれこれと妙な出来事に出くわしていった最後に、静かに滑り出した謎めいた冒頭部と、とんでもない着地点に連れて行かれた感がある終結部とがつながるんですね。と、ここで前述の唖然茫然、あっけにとられた心の声をもう一度。
 ひゃあ、びっくりたあああ!

 それとこの作品、章の名前とそれに続く解説文も面白いですね。「*  *第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない。」とか、「第五章 五章目  *第五章は五章目で、推理小説ふうに展開して、核心に近づいていく。」とか。ここ読んだだけで、さて、次の章はどんな展開が待っているんだろう?と、ちょっとわくわくしちゃいました。

 本文庫の巻末解説は、道夫じゃない、道尾秀介。その最後の件り、都築さんが初版単行本に仕掛けた遊び心にふれた文章も、「洒落てるよなあ」って、印象に残りました。
 クラフト・エヴィング商會による本文庫の表紙カバーも洒落てます。
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