これはなつかしい。《怪奇十三夜》は、1971年に日テレ系列で放映された夏の定番の怪談劇場シリーズ。私はかつてリアルタイムで見ていました。最初に、ドロリと血塗られたタイトルがあらわれるところから、もう怖くてしょうがなかった。
どれも正味48分の小品。低予算のテレビ映画にもかかわらず、ベテランの映画職人たちのこだわりが感じられる作品が目立つ。鮮烈な記憶が脳裡に焼きついている。
新東宝のカルト怪奇映画で知られる中川信夫監督(1905〜1984)が、第1話「怪談累ヶ淵」、第4話「妖怪血染めの櫛」(いちばん怖い!)、第7話「怪談悲恋の舞扇」の3本を演出している。それぞれがファンにとっては必見の佳作といえるだろう。
「怪談累ヶ淵」は、三遊亭圓朝の因果応報の怪談噺をかなり強引に短縮したところがおもしろい。中川信夫は同じ原作を新東宝でも映画化したことがある。演出は手馴れているが、いっさいの無駄も手抜きもない。宮川一郎の脚本です。主演の横内正をはじめ、木村俊恵、中谷一郎、内藤武敏(怖い!)、三島雅夫といった実力のある役者が出演していたことにも驚かされる。
このシリーズ、廉価版のDVDで全13話のうち12話が既に発売されている。画質はVHS版と変わっていない。だけど、なぜか知らないが、片岡孝夫主演の第7話「怪談悲恋の舞扇」だけが、依然として欠番になっているのは謎です。