博物学のみならず、物怪(もののけ)等にも多彩な博識を持つ荒俣宏氏の、実際に日本の伝奇物語の舞台を訪れたレポートを集めたものだ。
例えば、陰陽師として知られる安倍晴明、彼は狐から生まれたとか、式神と呼ばれる目に見えない物怪を召し使いにしていたとか、様々な伝承がある。
また、京都や大阪には安倍晴明神社という彼にまつわる神社さえある。こうした実在の場所を実際に訪れて、荒俣流の所見で述べられているのがなかなか興味深い。単なるレポートだけにとどまっていないのだ。
この本の読者は自分でも呆れ返る程の好奇心の持ち主に違いない。しかし、歴史の史実の1ページとして、歴史に興味のある人達にも是非とも手にとって読んでもらいたい一冊だ。