優勝に絡む機会こそ減ったが、地元九州場所での人気ぶりはまさに別格。
幕内通算勝利数も歴代1位の記録を更新中。しかしこの人の魅力はきっと、記録よりも記憶に残るところにあると思う。
本書も校正は編集者が手を入れているのだろうが、基本的に本人が書いている様子。
一人称のブレとか誤字脱字が人柄を表しているようで思わず破顔。
入門から今までの足跡を飾らずに話していて、自覚している気の弱さや取り口の粗さ、年齢と共に深まる怪我の悩みやそれでも現役を続ける心境も窺える。
一方で、ずば抜けた怪力に驕るところや得意の小手投げを誇る文章は無い。本当に“気は優しくて力持ち”を体現したお相撲さんだと思う。
決して絶対的な強さを持った人ではない。でも強さと弱さが同居しているからこそ、応援したくなる。
このまま“不惑の大関”なんて夢の話だろうか。少しでも長く現役を続けて欲しいと思う。