著者の性犯罪被害について、赤裸々に綴られている本。
読んでいて共感できる部分が多くあり、同性として切なかった。
男女の性に対する認識、性犯罪被害者への偏見が根強いことに対して、問題提起もされている。
レイプする側の意識は、欲望を満たす遊び半分で、その行為自体が相手を一生苦しませるなんて、思ってもいないのだろう。
「抵抗しなかったのではなく、できなかった」「叫ばなかったのではなく、叫べなかった」
人は本当の恐怖体験時には、身もすくむし、叫ぶことさえできないと思う。
著者の知人のボクサーの言葉
「犯罪ものみたいなAVを見ると、やってみたいという好奇心を持つ。実際にした事はないが、そういう願望があるのは確か。女はいやなの?そういうの好んで見る女もいるじゃない。」
著者の元カレの言葉
「お前みたいな汚れた女とつき合ってやってんだ。感謝しろ!」
著者と同じく性犯罪被害者の女性が裁判官に言われた言葉
「どうしてそんなに平気でいられるのか?嘘をついているのでは?普通の女性はこんなところに立つことは耐えられないでしょう。」
著者が記した、これらの言葉に集約されるように、男女間の性に対する認識が大きく違い、性犯罪被害者、特にレイプされた女性に対して、強い偏見がある事実が哀しい。
著者が家族にすぐに打ち明けられなかった、母親にさえも話せなかった点は、私には理解できた。
本当に辛いこと、口に出したくもないことは、いくら親でも話せないこともある。
また、「世間に公表などせずに、娘に幸せになってほしかった」という、著者の母の気持ちも理解できる。
兄弟間の心の溝は埋まったようだが、気の毒なのは両親との深い溝。
どうすれば、著者の心の傷が癒せるのか、私にはわからない。
時間が解決するしかないのだろうか。
告発の行方 [DVD]という映画にも、こうしたレイプ事件が扱われていて、J・フォスターがアカデミー賞主演女優賞を獲得している。
性犯罪被害について興味のある方には、一見の価値があると思う。