性犯罪の被害にあったひとりの女性が、名前を公表してその被害を告白したことで多くの反響を得る。
前作から二年半、誰にも言えずに痛みを抱えていた被害者から寄せられた多くの声なき声に耳を傾け、自身のつらさやマスコミの取材、裁判員制度とも向き合った真摯な記録。
あくまで個人的な体験として正直な胸のうちを語りながら、世間の目から隠されてきた性暴力被害の実態をなんとかすくいあげ、伝え、被害者への理解と支援に結びつけようと努力している。
わたしたちはこの一人の女性に、あまりに多くのものを負わせているのではないか。
今もなお、日本中で繰り返されている性暴力に、わたしたち一人一人が向き合うべきだと思う。
押しつけがましくなく、淡々と誠実に描かれる筆致にも筆者の人柄を感じる。