「本当は男(女)だったんだ」「で、本当はどっちなの?」という2者択一を迫る言葉に傷つけられる人がいる。心と体の性別が違うということを表すために、またどれぐらい違うのかということを表すために、名称が多く存在する。その複雑さがトランスジェンダーを巡る問題から人々の目を遠ざけてしまうように思える。
本書は実際に性別適合手術(性転換、と一般的に使われているが、この言葉もまた差別用語なのだ)を受けた方や、トランスジェンダーの方が医学的、法律的な部分まで踏み込んでこれら諸問題をわかりやすく解説してくれている。Q&Aと銘打たれているように、質問に対する回答というスタンスで文章はレイアウトされている。故に私たちの疑問にそのまま答えてくれるようで読みやすい。
ただ、下方に用語や関連事項がまとめてあるというのは親切な組み立てではあるが、見開き分の情報量が多いので読みにくいと感じる人もいるかもしれない。
とはいえ、これほどまとまった「性同一性障害」「トランスジェンダー」「同性愛」についての本はなかなかないので、一読をお勧めしたい。
知識がないせいで、今傍にいる人やこれから出会う人を傷つけたくないと強く思うならば。