コンピュータの動作の背景にある根本的な概念や考え方を説明し、並列計算や人工知能のような話題も分かりやすくまとめている一般書。前半は、論理回路や有限状態マシン、プログラム、アルゴリズム、ヒューリスティクス、チューリングマシンなどの話題が中心。コンピュータが電子工学(トランジスタなど)に依存しなければならない必然はなく、水路と流量調節弁使っても同じことはできるし、棒と糸を使ってもそれは可能だと言ってのけているあたりが痛快。その上で、実現技術が何であれ、コンピュータをコンピュータたらしめている重要な根本原則を説明している。
後半は、並列計算と人工知能、進化計算、自己組織化の話題へ。一般読者にも分かりやすいように説明しようとする著者の姿勢が随所に感じられる。なお本書のタイトルだけを見ると、人工知能や知的計算に関連する本であるかのように錯覚しますが、これらの話題は本書の一部にすぎません(たしかに著者が最近最も興味を持っている分野ではあるようですが)。ちなみに原書のタイトルは「The Pattern on the Stone : The Simple Ideas That Make Computers Work」。