最近、現代思想がらみの本をつづけて出している仲正昌樹の新刊。
10人の思想家が取り上げられるが、それぞれの思想について、仲正独自の解説がなされているのが本書の特徴である。
オビに「18歳から読める現代思想の入門書」とあるが、たしかに文章は難解でなく、わかりやすい。
時事評論のようなものよりも、本書のように現代思想のよき解説者として文章を書くのが、仲正には合っていると思った。
とくに、これまで仲正があまり言及してこなかったフーコーやニーチェやラカンに関する文章は、おもしろく読むことができた。
仲正という人は、「生き生き」とした人たち(ウヨクもサヨクも)が心底嫌いなんだということがわかった。
私たちは、知らず知らずのうちに、声が大きくて、できもしないことをやろうとする、本音と建て前がずれまくった人に
同調してしまっているのかもしれない。
そのことは、じつは仲正が紹介する思想家のそれぞれが、すでにさんざん警鐘を鳴らしていることだと知ったのが、
本書から得られた一番の収穫だった。
すんなり読めたわりには、現代思想の大枠がわかった気になれる良書だと思う。