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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
「なんかいらない」と言いつつ吹っ切れていない,
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レビュー対象商品: 思想なんかいらない生活 (ちくま新書) (新書)
タイトルを見てこの本を手に取る人は大抵、世に跋扈する知識人達のナンセンスな言動を、著者が痛快に斬ってくれる事を期待するのではないか。少なくとも自分はその類の面白さを漠然と期待していた。しかし読んで印象づけられたのはむしろ、「思想」「知識人」なるものへの鬱屈やコンプレックスにいつまでも囚われて生きている著者の不自由な姿である。 この本で引用される「知識人」の多くが、日本の人文系の一部界隈でしか知られていない(また影響力もない)人達である。その彼らの言葉の端々にある「インテリ臭」をいちいち指弾する事が 「ふつうの人々の側に立った知識人批判」 になると著者は考えている訳だが、それこそ普通の人にとっては「いる」も「いらない」も無いような話である。 インテリが大衆から遊離していると批判するのもインテリの伝統的な振る舞いである、と古い言い草にもある様に、著者は自分が「大衆」の側にあると素朴に信じていながら、じつは自分が批判する「インテリ」と少なからぬ幻想を共有しているのである。「インテリと大衆」(これも死語かと思っていたのだが)という古臭い問題設定に対するベタなこだわりじたい、著者が(あとがきで)信奉していたという思想家の影響だろう。 「思想なんかいらない」と潔い啖呵を切っているわりには、文章にユーモアもなく恨みつらみばかり出てきてしまうのは、著者が今なお「知識人」に依存し、「思想」から自立できていないからである。
42 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
思想界のギター侍、インテリ斬り!,
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レビュー対象商品: 思想なんかいらない生活 (ちくま新書) (新書)
文学者、哲学者、批評家といった、いわゆるインテリ層への批判、それも、かなりおちょくり気味の批判である。勢古氏がインテリを批判する理由は3つ。 1言葉や文が難しくて、普通の人には何をいっているのか、わからない。 そして、具体的に何名もの批評家、哲学者たちをとりあげ、彼らの著作を引用しつつ、徹底的にこきおろしていく。ほら、わかんないでしょ。わかったところで役に立たないでしょ。なのにとってもエラそうでしょ。という具合である。 つまり本書は、批評家たちが書いた本の内容そのものへの反論ではなくて、批評や哲学や文芸評論といった「思想業界」の特権意識への痛烈な批判、鼻持ちならないインテリ個人への攻撃である。ゆえに、タイトルは「思想なんかいらない」ではなく、「思想家なんかいらない」の方がたぶん正しい。 私は、哲学にも文芸評論にも不案内で、取り上げられているインテリさんたちで読んだことがあるのは竹田青嗣、橋爪大三郎、あと副島隆彦くらい。だから、勢古氏の個人攻撃が的を射ているのか、そうでないのかはよくわからない・・・のだけれども、どういうわけか、それでもすごく面白い。 この面白さはどこから来るのだろう・・・と考えた。 波田陽区の「ギター侍」的な面白さが、もちろんある。偉い学者、批評家をバッサバッサ斬りまくる。 柄谷行人、チンプンカンプン斬り! 全くミもフタもない。 勢古氏はきっと、自分も「高名な思想家」とか「大学の先生」になりたかった。でもなれなかった。だから「思想なんかいらないやい」といい、エラくならなくても普通の人が普通であることを誇りとして生きる、それでいいのだ、といい、そうして自分を慰めつつも、まだ未練を捨てきれずに「ほんとうの吉本隆明論は、私にしか書けない」という。 なんだ、やっぱり、勢古氏にとってまだ思想は必要なんじゃないですか。というオチである。勢古氏の愚痴に付合って、ただグルグル引っ張りまわされただけのようにも思うが、それがまた、正直でよい。私は、この本、嫌いじゃないです。
20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
たかが思想、○○○思想。,
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レビュー対象商品: 思想なんかいらない生活 (ちくま新書) (新書)
これほど徹底して「思想」を批判する本を読んだことがなかったので、ふつうにおもしろかったです。その批判の姿勢を細かく評価したり批判したりするのは、あまり意味がないと思います。読者はその「考え」をただ無視するか、ひとりの「自分」としてしっかり受けとめるか、そのどちらかで十分ではないでしょうか。著者はふつうの会社員として生活しながらも「思想」にとりつかれてしまって「思想」に生き、けれども「思想」を捨てて生きていこうと決意した人だからこそ、こんなものが書けたのでしょう。「思想」をめぐる著者の格闘と葛藤と敗北の記録。バカ正直、なんです。大好き。
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