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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ハーンを彷彿とさせる手記,
By 時代錯誤 "山水" (栃木県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 思ひ出の記 (単行本)
小泉八雲は、どんな人であったのか?この小泉夫人の「思い出の記」がそれを物語っている。穏やかな時の流れを好み、心を保つ静けさを好み、小さいもの、儚いものに、深い愛着を抱いて居た人であった。ヘルンは、明治の初期にこの東洋の神秘の国を訪れて、その風土と日本古来の土地に根付いた、素朴な人々の心と機微に触れ深い感動を感じたらしい。それは、松江という未だ本来の日本の風景と美が残っていた土地に出会った事に始まった。もしも、ヘルンが松江に行かなければ、「怪談」や「日本の面影」などの、この不思議な、美しくも悲しい文学は生まれただろうか? 放浪の果てに、東洋の島国にめぐり合いその世界に魅されたヘルンであるが、しかし、時は文明開化の時代、日本の持つ本来の良い点までも否定される時代に、次第に日本に失望を抱いて行く。彼は言う「日本のこの穏やかな、豊かで深い時間は、日本の風習と共に、日本の宝とも言えるものです。西欧化・西欧化、と世の中は怒濤の如くそこに向かっています、しかし、何百年にも亘る時間の中から創られた、日本人の伝統や風習が滅びて行こうとしています。日本人が自分達の心の芯に在った文化の価値を、再び見出す時には、もう、その伝統や生活風習は残っては居ないでしょう。」ヘルンの予言は、今の時点で当たっているとしか言い様が無い。 夫人のお書きになる、ヘルンの死も実に印象的で、悲しいながら感動に溢れている! 何ぜヘルンは、人生の果てに、真の安らぎの死を望んでいるのだろうか?、不思議だが、そこには通常人が懐く死に対する恐れの様な物が無い様なのです。「私が死んでも悲しむ、わたしは喜ばない、子供たちとカルタをして遊んでください、小さな壺買いましょう、3銭か4銭ので良いでしょう、私の骨そこに入れて、田舎の寂しい小さな寺に埋めてください。誰かが訪ねたら、ああ、あれは、先ごろ死にました!それで良いです、楽しく笑って暮してください…」私にはヘルンは、日本文化の真の発見者であり理解者でもあり、またその行く末の預言者でも在った。ヘルンは、不思議な人、今も解読できない、偉大で不思議なひとである。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
心穏やかになれる一冊,
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レビュー対象商品: 思ひ出の記 (単行本)
ラフカディオ・ハーンはその著作からも優しい思いやりに満ちた人間性を知ることはできますが、ハーンの妻、節子の回想を綴ったこの本を読むと、現実の生活の中でそれがどのような形で表れていたのか、彼のとった行動のエピソードからよくわかります。ハーンに興味をお持ちの方ならば、おそらくますます彼に惹かれるのではないでしょうか。ページ数はそれほど多くなく、この回想でハーンと節子の共にした人生を語り尽くせるものではないと思いますが、このように穏やかな時間があった事を知るには、とても素晴らしい内容だと思います。読後、満たされた気持ちになりました。この世の欲望、エネルギーに疲れたとき、この本をまた手にとってしまいそうです。 また、サイズ等、ハーンになじみのない方でも手にとりやすい、親しみを感じさせる一冊だと思います。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ひとを愛すること、美しいものを愛すること,
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レビュー対象商品: 思ひ出の記 (単行本)
大切に、大切にしたい本です。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)というギリシャ生まれの学者が、日本にやって来て、日本の土地の美しさや不思議さに惹かれ、そのなかで「怪談」などの有名な著作を綴ってゆきます。なにが彼の支えとなり、なにが彼の心をとらえ、なにを心から慈しんでいたか。そのことを、彼の妻である小泉節子さんがつまびらかに優しく、物語っています。短かく、小さく、ささやかな本です。それでも、きっと誰もがラフカディオ・ハーンを好きになるでしょう。彼と、彼の愛する優しい妻が好きになるでしょう。
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