どこの図書館でも、児童コーナーで必ず彼女の本に会えます。多くは、古代から中世ヨーロッパに舞台を置いた、少年達の成長の物語です。骨太でしっかりした物語で、時代考証も正確。登場人物も魅力的で、物語として、子供だった私にも本当におもしろかったのです。
当時の感想は、「こういうお堅い感じの本にしては、やけにおもしろい。」という事。そして、「主人公達の友情が感動的だけれど、やけに濃いなあ。」・・・でした。
そうして、大人になって改めて手にしたサトクリフに、私は仰天。彼女の本の登場人物たちの友情は、それはほとんど恋と呼ぶべき熱情でした。しかし、その瑞々しい感情、たくましい行動力、生命力、強い意志に、子供の頃よりももっと惹かれました。
そうして、この本に出会い、彼女の生い立ちや試練を知った時に、彼女が熱烈な友情を繰り返し書く事の理由が、わかったような気がしたのです。
彼女は下半身が不自由で、激しく愛した人が、他の女性と結ばれるのを見ているしかなかったのです。だから男女の愛ではなく、精神的な繋がりである友情を書きたかったのかも・・・などと。独断です。ごめんなさい。
この本の内容は、そのように彼女の厳しい生い立ちなのですが、決して暗くなく、読後感は、たくましく、強く、清清しく、おおらかな彼女のパワーを分けてもらったような気持ちでした。