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怖ろしい味 (光文社文庫)
 
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怖ろしい味 (光文社文庫) [文庫]

勝見 洋一
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

その鮨屋は、職人が一切顔を見せない不思議な店だった。長い暖簾の奥の暗闇から、つるりとした白い手がのぞく。そして供される鮨は、あまりにも見事なものだった―(「鮨屋の怪」)。練り上げられた文章が掬い上げる虚実皮膜の世界。その筆にかかると、一杯の蕎麦が、一本の万年筆が、とたんに息吹を放ち始める。途方もない蓄積と経験に裏打ちされた珠玉の20編。

内容(「MARC」データベースより)

怖ろしい街ニューヨークの中華料理屋での死ぬほどまずいアメリカの味の体験を描いた表題作を含む20編。パリでは料理ガイドブックの星印調査委員の下請けアルバイトもしたことのある著者の食べ物エッセイ。* --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 280ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/10/11)
  • ISBN-10: 4334743277
  • ISBN-13: 978-4334743277
  • 発売日: 2007/10/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 385,603位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kinn
形式:単行本
 勝見さんの文章には味がある。人間の感覚を「言葉」として描く場合によくありがちなのは、「俺はこう思う」あるいは「わたしはそう感じる」という感想になり、「それで?」と質したくなるものか、はたまた、記録的な事実の描写に終始してしまい、「これってようは分析なの?」と思われるものがあるだけだが、氏の言葉にはこの相反するものが融和している。

 とりわけ、奇妙な鮨屋に関する随筆がよい。彼の先達にあたる人に吉田健一がいるが、彼の最晩年の短編に「酒の精」というのがある。ある城館に住む男が、酒蔵に潜む酒の精霊に導かれてその酒が生まれた土地に旅するものであるが、そうした「奇異」さが一連の勝見氏の随筆(あるいは短編)にはある。ぜひ、寒夜にウィスキーでも啜りながら一読していただきたいと思う。そうすれば、この物語の中にたたずむ芳醇な酒や料理の味が、「目」を通して我々に伝わってくるかもしれない。
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食べもの談義 2011/4/27
By 志村真幸 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 1995年に文藝春秋から出た単行本の文庫化。
 前半は食べもの談義。後半はさまざまなテーマのエッセイ。
 食べものについての話は切れがある。長く過ごした中国、フランスでの体験談が中心となっているが、毛沢東のスープとか、フランスの娼婦のパンとか、物語性の豊かな文章で読みごたえがあり、読後も余韻が残る。
 後半は新型テレビの発明家、コンサートの録音など。印象深い話だが、いささか鼻につく。
 著者の他の食べものエッセイである『中国料理の迷宮』、『匂い立つ美味』などに比べると、ちょっと物足りなさが残った。話をつくりすぎている感じがする。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
  
 フィクションかノンフィクションか、はたまたショートショートかエッセーか…何とも名状し難いのではあるけれども、読み始めると、ついついのめり込んでしまう作品だ。それはともかく、私はバブリーな印象のある「グルメ」とか、あるいはつんとすましたような“気取り”の感じられる「美食家」といった名詞はあまり好きではない。むしろ「食通」とか「食い道楽」というような、俗っぽく響く言葉が好きで、さらに付け加えると、一流の「食通」にはある種の“こだわり”というものが感じ取れる。そして、“こだわりの食通”として、私は北大路魯山人や池波正太郎の名を挙げてみたい。

 たとえば、魯山人には「食材」(魯山人味道)への、池波正太郎には「作法」(男の作法)への“こだわり”が看取される。では、著者の勝見洋一氏には如何なる“こだわり”があるのか…。当書のタイトルともなっている随想の中で、氏の友人が「まずくても面白ければ、それは旨いんだ、というのが君の持論じゃないか」と語るシーンがある。まさに言い得て妙、これこそ勝見氏の真骨頂を表出していると思う。この「まずくても面白ければ…」とか「とことんまずい料理、魅力的ではないか」といった感覚は、ひょっとして氏の女性への好みにも反映している気が…(ゴメンナサイ)。

 まぁ、女性はさておき、氏の“こだわり”は「食」のみでなく、「映画」などにも発露されるけれど、押しつけがましい蘊蓄もなく、実に楽しい本である。最後に、氏は星印調査員もしていたそうで、今はどうか判らぬが、その審査は「実際には読者からの投書と会社本体の営業部の意向によって、ビジネスライクに進んでいただけだった」(星印調査員の棲む町)らしい…。それにしても、料理とは「風俗」や「風土」などを映し出すものでもあると思うのだが、すべてが「ファスト風土化」(三浦展)する昨今、「怖ろしい味」すらマクドナルド化(Mcdonaldization)してしまうのであろうか…。
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