表紙のインパクトが強すぎて、いたずらに恐怖をあおる怪談本と思われてしまいそうですが、実際は全然違います。
「怖いバイト」「怖い絵」「怖い虫」「怖い食べ物」「怖い自殺」「怖い刑罰」など、古今東西のあらゆるものを、著者の独断と偏見で「怖い」という共通点だけで集めてきた雑学本のような、読みやすい本です。
転職が多く、常人はなかなか経験していない職場を経験していたり、酒や煙草を浴びるほど飲んでいたりするユニークな著者が書いているからか、恐怖が絵に描いた餅ではなく、ある程度親近感を持って受け入れられます。
怖いもの、アウトローなもの、奇妙なもの好きにはたまらない知識がいくつか紹介されていて、「へぇ〜」と唸らされます。
特に「怖い絵」のところでは、自分の好きな作家さんのくだりが出てきたのもありますが、未見の絵もいくつか紹介されていて、絵の実物が見たくてたまらなくなり、おもしろかったです。
怖いものは、生命を守ろうとする自分の危機感を内側から揺さぶります。それは人間の深淵を覘いているようであり、私はおもしろくてたまりません。そういう人には、おすすめできる本です。