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怖いこわい京都 (新潮文庫)
 
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怖いこわい京都 (新潮文庫) [文庫]

入江 敦彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

微笑みに隠された得体のしれぬ怖さ―それこそが、京都の魅力であり真骨頂だ。千年の情念が積もり積もった都で飄々と暮す人々だけが知る恐怖を、京都話の名手が案内する。都の魔と人の業が結晶した“異形”、大路小路にひそむ“伝説”、京都人も畏れる“寺院”。ほか“神社”“奇妙”“人間”“風景”“幽霊”“妖怪”の九章からなる京都奇譚。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

入江 敦彦
1961(昭和36)年京都市西陣、髪結いの長男に生まれ機の音に囲まれて育つ。多摩美術大学染織デザイン科卒業。’91(平成3)年渡英、ロンドン在住。エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 349ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/5/28)
  • ISBN-10: 4101322732
  • ISBN-13: 978-4101322735
  • 発売日: 2010/5/28
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本を拝見していると、著者はどうやら京都市北区紫野あたりで生まれ成長されたらしい。
自分は上京区ですぐお隣の地区。
にもかかわらず、この本を読んでびっくり。いやあ、知らんかった。こんな場所もあったん?
こんな近くにこんなおもしろい場所が?と。
幼稚園の頃から遊んでいたあの公園の隅に、鵺(ぬえ)を祭った祠があったなんて・・・ほんまに全然知らんかった。バチが当たらへんやろか(笑)。

著者は根っから、神社仏閣、怪異に怪奇、そして故郷の京都が好きなのだと思う。
どんな小さな神社や街中の祠にも自ら足を運び、あらゆる手段を使ってそのいわれを調べようとされている。
今まで京都魔界本は山ほど出版されているが、地元民が地元の言葉で、地元民から取材して、そしてそのはんなりした空気がそのまま伝わってくるこの京都本は本当におもしろいと思う。
久しぶりにこの本片手に、なんでもない普通の街中を散策してみたくなった。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 評者は大学入学から7年間を京都で過ごした。特に最後の三年間は本書に紹介される「白足袋族」の頂点たる、華道家元に仕える仕事にあった為に、古都の闇の部分を幾らか垣間見たが、それでも此処に載る多種多様な京都の「魔都」ぶりには遠く及ばない。

 著者の入江敦彦氏は西陣の髪結いの家に産まれた生粋の京都人である。古都に無数に花咲く怪異を聚め、実地探査と豊富な知識、経験、聴き込みに基づく情報量を以て凝縮し、基よりこの上もなく怪異を好むが故に、より洗練され典雅な迄に味わいを深めて一冊に纏められた。それは、例えるなら妖しい色香を放つ極上の醸造酒を夜密やかに飲む愉悦、を感じる愛すべき一冊である。其の中でも特に千年に亘って沈澱する京都的恐怖を感じた幾話かについて考察を加えてみたい。

一、社名が明かされていないのが一層怖いのだが、その神社は記紀神話の災厄神を祀り、狛犬は内側を睨んでいる。狛犬の真の役割が「神を封印するための結界を閉じる」又は「神に近づき過ぎて祟りを受けないように警告を発する装置」という著者の推察に多いに同意するも、そんな禍々しい土地のすぐ傍で何百年も平気で棲み続ける京都人もまた怖い…(異形八)。

二、平安の古より「丑の刻詣り」の元祖とされる貴船神社も、現代人には独自の解釈を以て呪詛が行われている。五寸釘を五センチ釘と間違えて打ってたり、真っ昼間から人に見られても平気で打ってたり、ありとあらゆるアイテムに呪いを込めて打ち付けたり、と作法を誤ると呪いが跳ね返って来るのも知らず、思い付く儘に呪詛を掛けている方がよっぽど恐ろしい…(神社六)。

三、最澄の頃より続く「鬼」の一族たる八瀬童子の子孫の話も凄まじい。死を納得できない亡者を無理矢理に納得させて、時には縛り上げ手足の骨を折ってあの世へ旅立たせる日々は、読む側でさえ余りの非日常性に唖然とする。御伽草紙と区別のつかない様な世界の人々が、現代の京都で「葬儀社」として働いているのが奇妙でさえある…(妖怪十)。

四、千年の魔都に於いて、日常を怪異と隣り合わせで暮らすもの、京都人の持つ特性こそ最も恐ろしいものかも知れない。「よそさん」が怖れ、絶対的に理解修得が出来ない「イケズ」がそれである。平均的な京都人である著者にして、地蔵盆の籤引きで特等と一等を同時に当ててしまったが故に、翌年は呼ばれないという。そして笑顔で「お金持ちやさかい、こんなもんいらはらしませんやろ」と告げに来る…。そしてこれへの意趣返しも、あくまで「紳士的」に皮肉と悪意を込めた噂を周囲に立たせると言う作法がある。つまり「イケズ」は日常生活に於いて不公平なジャッジが下すイエローカードであり、これこそがイケズの本質なのであるが、京都人のおぞましさは『刺激的な娯楽としてイケズを半ば愉しんでいる』事にあるという…(人間八)

 生の感情が礼節の仮面で包み隠され、水面下の陰謀が鰻の寝床の深奥で交わされる様は、応仁の乱前夜の緊張感を彷彿とさせ誠に面白い。此の水面下の緊張感こそが「京文化」の暗黒面であり、神社仏閣や旧跡、怪奇スポットに宿る闇の真実への覆いになっているのではないだろうか。俗に云う「本音と建前」の京都の世界は、千年の昔より、歴史も文化も生きる人間も死んだ人間でさえも、守らなければならない作法である気がする。その作法の上に則ってこそ、京都を冠する何か、と称する事が許されるのだろう。

 美しい京都の街も文化も、その薄皮一枚を捲れば、百鬼夜行、魑魅魍魎、妖怪変化の巷と云うのは今も昔も現在も連綿と続く魔都の真実の姿ではないだろうか…。そして京都は、歴史も街も神仏も生者も死者も、凡てを受け入れ穏やかに微笑む「もうちょっと此方(ねき)にお寄りやす…」と。その中で幽かに覗かせる魔都の闇の相貌こそは、今も昔も京都に魅入られた多くの魂を捕らえて離さない…。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本当の京都 2011/5/22
形式:文庫
単行本を図書館で読みました。
是非、手元に置いておきたい、と思ってAmazonで見たら文庫版あり。
即、1Click!!(笑

雅な京都、世界遺産豊富な京都、日本人が憧れる京都、東京に次ぐ世界的知名度の京都。
そんな京都に生まれ育った著者。
裏情報満載。

怨霊渦巻く京都、他を寄せつけず受け入れない京都、大きな声で言えない京都。
美しさ、華やかさは、肉眼で見える月と同様に、対象の一面に過ぎない。
実は裏側、見えない部分がある。
しかも一千年分!!!
この本にすべて網羅できるわけもありません。
探れば、他にもわんさか出てくる出てくる。

はんなり京都、舞妓な京都、とりあえず京都、みなが行くから私も京都。
そんなお方にも刺激的な一冊となると思いますよ〜〜^^
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