なんだろう、この本……!? 一見からしてかなり怪しげな本。
最初のページを読んでみると、まるで水墨画が浮かぶような文体で、そのま
ま引きずられるように読み始めてしまいました。
内容はまさに冒険ファンタジーの王道といったカンジで、ドワーフやエルフ
といった生き物がわらわら出てきます。
登場する種族から『指輪物語』を想像していましたが、その戦闘シーンの迫
力や、物語のスピード感は映画のロード・オブ・ザ・リングに近い印象です。
王道といっても、ありがちな退屈な展開ではなくて、一ひねりも二ひねりも
あり、そのうえ権力闘争や暗躍、裏切り……と、次々と起こる事件に目が離
せなくなっていました。
読むのをやめるタイミングを間違うと大変なことになります。特に寝る前は。
思わず笑っちゃうような会話ややりとりがあるのも、戦いの多い小説にあって
良いアクセントになってました。
個人的に一番良かったことは、キャラクターの心理がしっかり書かれていること。
とってつけたような中身のないキャラクターではなく、どの登場人物も考え方
を持ち、それがちゃんと個性として活きています。おかげで登場人物が多くて
も「これ誰だっけ……」と置いていかれずにすみました。区別はできるけど、
望遠兄・望遠弟の名前はよく混ざりましたが(笑)
実はあまり戦闘の多いものや、グロテスクなものは挫折することが多いのですが、
この作品は最後まで楽しく読めました。
冒険小説なんて読まないという方も一度手にとってみてはいかがでしょう?