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この本は筆者がなぜ日亜科学を訴えたのか、そしてその本意はどこにあるのかを中心テーマとしている。そのため、青色発光ダイオード開発の経緯や筆者と日亜科学との関係、カリフォルニア大学教授になった流れを通じ、日本人研究者としての苦悩を描いた作品といえる。そこには研究者として開発に没頭する筆者の姿が克明に表現されていた。
訴訟で中村は学問の自由を主張したかった。日亜科学が彼の研究を阻害し始めたからである。日亜科学はダイオード開発にストップをかけた。しかし、中村が無視したことで得られた成果が青色発光ダイオードであった。よって、自らに特許権を与え、相当の対価を勝ち取りたかったようだ。そのことが現在、そして未来の日本人研究者や理科系を志す子どもたちに希望を与え、日本再生の原動力になるはずだった。
本書の中で、筆者は日本を批判的に捕らえて記述する。例えば、教育制度に関して大学入試全廃という厳しい記述を残す。そこには、彼の研究時間を奪った、教育制度に対する怒りが表現されている。ただし、いかなる困難にも自信をもって対処する筆者の姿が全体を覆っている。
本書は青色発光ダイオードが関係する書物なので一瞬、難しい本なのかと思うかもしれない。しかし、理科系を全く知らない私でも、わかりやすく読める作品だった。筆者の前向きで少し強引な姿勢が開発結果を生み出した状況はよく伝わってくる。研究が忙しいのにもかかわらず、家族と一緒に夕食をとる習慣は守る姿勢は印象に残った。
よく「青色LEDを開発するときは苦労したでしょう」と聞かれますが、そんなことはありません。
むしろおもしろおかしくやってきたのです。痛みや苦しみの結果ではありません、というところとか。
まあそれなりに刺激の多い本でおもしろかった。
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