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快適生活研究
 
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快適生活研究 [単行本]

金井 美恵子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

 老年を迎え初婚を経験する手紙好きの女性、知人に個人誌を配布し悦に入る団塊の世代のスノッブな建築家などの物語に、ご存知「紅梅荘」の桃子や小説家のおばさん、『文章教室』の中野勉や桜子など往年の金井ファンにとっては堪らない登場人物が絡まりあう。どんな風俗も貪欲に取り込む華麗な文体で人々の「快適生活」を精緻なタピストリイのように織り込む、これぞ「小説のなかの小説」。著者快心の最新長編。

内容(「BOOK」データベースより)

快適生活を送るには?鈍な自己愛とお金が必要?!輝く知性と繊細・過激・流麗な文体がまたまた優雅に炸裂する大傑作!!愛とイロニーと笑いに満ちた連作短編小説集。金井久美子による素敵なカラー挿画23葉。

登録情報

  • 単行本: 275ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (2006/10)
  • ISBN-10: 4022502177
  • ISBN-13: 978-4022502179
  • 発売日: 2006/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 475,238位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
今まで著者の作品『小春日和』『彼女(たち)について私の知っている二,三の事柄』『文章教室』『道化師の恋』の登場人物たちが、著者の意図の元に関係を持ちこの連作短編に登場する。

と言うわけで、金井さんのファンにとっては、いつもの金井ワールド内で、しかも流麗過激な文章を味わえるのだからとてもおもしろいのだろうと想像できるし、あまり熱心な金井さんファンではなかったものの、金井さんのおもしろさの一端を知り始めたところである私としては、登場人物全員に覚えはないのだがそれなりに楽しめた。私は著者の言葉の美的感覚がやはり大好きなのだと思った。

金井さんの本を遡って読みたいという気持にさせてくれる本。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 「文章教室」「道化師の恋」の桜子や「小春日和」「彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄」の桃子たちにまた会えるなんて!すごいサプライズ。ファンとしては、今年一番の大収穫だ。“目白四部作”とその周辺については、あまり好きだったものだから、もう登場人物と、現実の友人知人の実話エピソードが混乱するほどで、その「続き」が読めるなんて!「タマや」の夏之さんとアレックスが登場した時には、涙が出そうに。かつて夏之さんのつくった帆立缶とコーンとキュウリのマヨあえ手抜きサラダはタマサラダという名で、今やうちの定番だよ。

 ……と、何度も本棚に駆け寄りつつ読んだ。脳内がマッチョなキモいオヤジたちのリアルさは相変わらずで、作中の建築家が知人に配る印刷物「よゆう通信」の“しゃれた”文章を読みながら、つい何度も「ここ読んで!いるよねーこういう人」と家人を呼びつけてしまうものだから、なかなか読み終わらず、でも、一分でも一秒でも長く読んでいたい。もう、めろめろ。

 この小説の中心人物となっている、手紙魔の老嬢アキコさんは、これもまた、いるいる、こういう人はいるよねー、という自己オールオッケーな言動に満ちていて、桃子のおばさんなんかからすると、げっ……という感じの女性なんだけど、読み進むうちに、なんだかかわいいような気がしてくるから不思議。(実際にいたら困った人だと思うが)女は特?それとも多少なりとも自分も似たようなことをしていて、点が甘くなるのか?

 中野勉が他人の文章を自分の文章と間違えられて逡巡するラストは、これもファンにはたまらない。桜子と恋人・善彦の“惨めな別れ方”(もらった手紙や当時の日記はシュレッターにかけられて「ピーコック・ストア」のレジ袋に入れて捨てられる!)についても知りたいし、近い将来、桜子が書くであろう「knock,knock!」という小説もぜひ読みたい。ファン魂に火が点いたわ。

 

 
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 金井美恵子の作品を読むのは初めてだったので、まずは、10行、20行、平気で連なっていく、その長い長いセンテンスに面食らった。よくよく咀嚼しながら読み進まないと、主語は誰だったのか、関係性はどうなっていたのか、そもそも話しの始まりが何だったのかが混沌としてくる。ワンセンテンスのカロリーが異常に高い。ワンセンテンスの始点から終点までの流れがまた一筋縄ではなく、入れ子構造になってたりする。日常的な一人称の文章である手紙といった形式を纏って、身の回りのこと、社会諷刺を織り交ぜ、小説として提示する。これって外観として一所懸命形作る物語、ドラマに主眼はなくて、語り部による内側の語りの部分にこそ意味があるのだ。そして、一見、主観的で冗漫な一人語りのほうが、よっぽど客観視点の物語よりも、日常や現実をトレースしてたりするのだ。少なくとも僕は、団塊世代、かつてのクロワッサン、ニューファミリー達のリアルみたいなものが感じられた。このリアル性って、既存の小説よりはブログに近いよね。クオリティに雲泥の差はあるけど、金井美恵子の小説もブログの日記も、一見、現実に見えて実は虚構であるってとこも似ている。もちろん、どんどん語っている内容がずれていく、その文章構成も。まぁ、全然違いますが。そういう意味でものすごく今っぽくこの小説は読めると思うけど、あとは、その語りの中味が肌に合うかどうかだね。僕は、ちょっと、あの世代のあのクラスの人たちのクローズドな感じにあまり接点がないし、もちろん、僕自体が著者の鋭いツッコミの対象にも入ってない世代、クラスなので、語りに引きずり込まれていく感じが希薄なのですね。これ、好きな人が好きなのは、ほんとよくわかります。
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