更年期を迎えた女性にとってのセックスとは,という問題を扱った本ではあるが,およそ客観的全体的な視野に立って調査したというようなものではない。50人もの女性から取材したと言うが,その取材対象が既に偏っているのであろう。
「50代の女性で,再婚ではない限り,まだ夫とセックスをしているという人妻は一人もいなかった」というが,これは他のもっと客観的な調査の結果とは大きく異なっている。まずこのような乱暴な推論から成り立っている本だという事に注意するべきだろう。
それはともかくとして,彼女らはホルモン補充療法などの現代的手段を使って,性交痛を初めとする更年期障害を乗り越えて行く。そして飽きの来た夫とは別れるなり不倫するなりして,新たなパートナーとの性の悦びを求め,快楽を追求する旅に出て行く,という訳である。
まあ,読み物としては面白いが,これが一般的な更年期女性の姿だろうか?
また,登場人物は皆様,どういう訳か大企業のエグゼクティブだったり,医者や大学教授などのセレブばかりである。
本書に盛り込まれた赤裸なエピソードを,新たな人間のリアリティと見るか,ご婦人向けの猥談集と見るかは読む人によるだろう。