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快楽主義の哲学 (文春文庫)
 
 

快楽主義の哲学 (文春文庫) [文庫]

澁澤 龍彦
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

カビ臭い幸福論や哲学に救いを求める時代は去れり。ヒリヒリするような快楽だけが人生の目的。精神的貴族主義を鼓吹する煽動の書

内容(「BOOK」データベースより)

人生に目的などありはしない―すべてはここから始まる。曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。時を隔ててますます新しい渋沢龍彦の煽動的人生論。

登録情報

  • 文庫: 237ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1996/02)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4167140039
  • ISBN-13: 978-4167140038
  • 発売日: 1996/02
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
博覧強記で知られ、特に性的倒錯や黒魔術と言った異界性のイメージが強い澁澤氏の快楽論。身構えて手に取ったが、文章は平易で、論理展開も明晰。冒頭でいきなり、「人生に目的なんかない」と言い切る。そして、「幸福と快楽」を次のように峻別する。幸福は主観的なもので持続性がある。例えば、ある宗教を信じて一生を信仰に捧げる。一方、快楽は客観的かつ瞬間的である。例えば、御馳走を食べたいと思うのは皆共通で、食べ終わればそれで終り。「文明の進歩は人類の幸福を増大したか」と言う命題は良く聞くが、"No"と答える。何故なら、苦痛・心配が増えた分、満足も増えたに過ぎないから。原始時代から考えると、人類は快楽を削って(近親相姦のタブー等)、幸福を増やそうとして来たが、現実生活に適応するために"ひきのばされた"消極的満足を求める心の結果であり、人間本来の欲求を阻喪させた。著者は無論、快楽を推奨し、以下これを阻む思想を論破する。

博愛主義のウソ。主義は万人のためではない(秘密で良い)事。「汝自身を知る」事の自縮性。動物的生き方が人間の本能・欲求に忠実な事。ヒューマニズムの否定。

続いて、快楽主義の定義と快楽を生み出す具体策。様々な東洋的(自然)快楽主義と西洋的(反自然)快楽主義が紹介される。更に「性的快楽の研究」として、セックスの快楽が採り上げられる。量より質、オルガスム能力の高さの美学(極地は情死)の問題と言う。人間はオルガスム能力が壊れた唯一の動物の由。乱交にも所有権・階級制度否定の哲学を見て、本来個人的な快楽を全体と融和させる唯一の方法と述べる。現代人の貧しい性愛生活に対し「労働と遊びを一致させる」方法を見い出す事が快楽主義の究極の目標と締め括る。

最後に快楽主義を実践した歴史の巨人達、李白、カザノヴァ、サド等が楽しく紹介される。「現実主義」を超越した「快楽主義」によって読む者の心身を解放する傑作エッセイ。
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57 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
大学時代に出会って以来、何か勝負に出るときや決心を固めなければいけないときに読む本です。

引越しが多くコレクター心のない私は、本を読んだらすぐ人にあげたり売ったりしてしまうのですが、この本はヘッセのデミアンと並んで数少ない蔵書の一つです。

人生に目的などない。幸福なんて曖昧なものではなく快楽を求めよ。

人によっては何当然のこと言ってるの、くらいであまり強いインパクトがないかもしれませんが、人生とは何か、私はどう生きるべきか、そんな青臭いことを真剣に思いつめていた当時の自分には軽いパラダイムシフトにもなりました。

大人になった今でも、どこか守りに入っていると思ったときに読むと、ぱあっと視界が広がるような気持ちになります。

ただしやはり少し昔の本なので、すでに快楽主義的な方や十分攻撃的に生きている方には刺激が少ないかもしれません。

この本は、真面目すぎる方や、常識に囚われがちな方、人生の守りに入りそうな方が、新たな価値観を見つけたり、自分にできるんだろうかというような勝負を前に不安になっているときに「人生なるようにしかならないって」と、肩の力を抜くために読むといいのではないかと思います。

まあ実際は私がそうやって勇気をもらっているだけなのですが、デカダンス的な印象の強い澁澤氏も、実はとても真面目で常識的な人だったのかなあと勝手な親近感まで抱いてしまいます。

近々覚悟して挑まなければならないイベントがあるので、また読み返してみようと思います。

これもある種の自己啓発本なのかもしれませんね。
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47 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
渋澤龍彦の略歴を見て、相当に危なくてお堅いイメージを先入観としてもっていたが、まるで落語のような気楽な口ぶりで、テンポよくとんとん非常識なことを読者にお薦めしているそのアンバランスさが秀でて面白い。

書いてあることはたしかに今更では月並み。きっと読者は思うことでしょう、「外国のスラムじゃこんなの日常茶飯だし、最近じゃ日本の高校生だって小悪さして金作ってラリりながら風俗通ってるじゃねぇか、それのどこがスペシャルなんだい!?」と。

しかしそれは違います。渋澤氏が対象としているのは、あくまで大量の情報と明晰な頭脳を有したインテリゲンチャ、知性に堕落が加わることで、独特のなんとも言えない色艶輝く人生芸術が体現出来るわけで、快楽しか知らないガキんちょが非行に突っ走るのとは次元が違います。

とはいっても、この本を読む読者の9.9割は読んではみるものの、納得はするものの、別に没落を真剣に検討しようとは思わないでしょう。そこまの邪教ではありません。究極的に渋澤氏が言っていることは、みんなで足並みを合わせてお手々つないで仲良く一歩一歩慎重に模範的に進むような行き方は見直すべきだという、極モラル的な教育論。人生一度しかないんだよ、もっとぶっ飛んだ生きのイイ生涯おくらなきゃ!ってなモンでしょう(まるで最近のラップの歌詞みたい)。

しかし分かっちゃいるんだが、そこは多くの人が踏み出せない一歩であり、没落・堕落も1つのキッカケとして、自己を可能な限り開放し、死ぬ間際に「ああ、よくやったな俺はぁ」と思えるような満足感、この一瞬の快楽こそ幸福なのだそうで、説明の下手くそな僕がここで少々内容を公開しても、読めば再度納得できるはずです。これはキカン坊をよそおった善良な著です。

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