テレビ版は、リアルタイムで見られる年代ではなかった。
夕方の再放送枠で見た世代だ。
マンガ版の存在は以前から知っていたが、今回初めて全編を通して読んだ。
昭和30年代の石森タッチ。
やっぱりうまいなぁ、というのが正直な感想だった。
もちろん、メインストーリーは原作があるのだけれど、その映画的な描写、まだ「009」以前の粗いけれどうまい、手塚と似ているようでオリジナリティーがある、という絵柄は、当時の少年達にどのように映ったのだろう。
まさに波瀾万丈のストーリーで、典型的なヒーロー物。
血湧き肉躍るという言葉がぴったりくる。
なぜだろうか、昔のマンガは、読んでいて勇気が湧いてくる。
主人公が少年ではないため、実質的な主人公として少年を配置してある点も良い。
そう、かつてはヒーローは大人だったのである。
大人はカッコ良い存在だったのだ。
後半になってテンションが下がるのが残念だが、最後まで石森タッチは健在である。
テレビドラマのマンガ版ではなく、独立した作品として評価する価値がある。
初期石森作品の中でもボリュームはトップクラスであり、のちに長編作品を破綻なくまとめる能力の元となった作品としても、大変意味のあるものであろう。
今ではなかなか入手しにくい作品だと思うが、石森ファンだけでなく、昭和の少年マンガ、ヒーロー物が好きなひとには、ぜひ読んで欲しいものである。
そして、カッコ良い大人でいたい昭和の少年達にも。