待ち行列理論は、今や軍事からコンピュータ処理まで幅広く応用されているが、本書は応用事例の紹介を中心に待ち行列理論を解説したものである。第1章では待ち行列理論の基本を説明する。第2章では、さらに拡張された待ち行列理論を扱う。第3章が本書の目玉であり、応用事例の紹介である。まず概要説明の後で、著者がP.M.モース教授から直接聞いた事例である、第2次大戦中のアメリカからイギリスへの輸送船団の問題が説明される。次に公衆電話や航空機の予備機の保有個数の問題に進み、機械群の適正台数問題、機械への作業員の割当問題へと続く。次はコンピュータを使ったオンライン・リアルタイム・システムの設計に関する問題に移る。コンピュータの入力のみならず内部処理でも待ち行列の処理が重要になる事がわかる。続いて、食堂の待ち行列の問題、空港の搭乗手続き窓口の改善が説明される。通行料金徴収所の運営に関してはニューヨーク周辺にあるリンカーン・トンネルについての研究が詳しく紹介される。第4章は待ち行列理論の補足であり、集団待ち行列等にも言及してある。第5章は待ち行列の図表と数表について解説してある。説明は丁寧で読みやすい。演習問題もある。